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Life beyond style

ブランド:DIOR(ディオール)

DIORは、パリの本店「30 モンテーニュ」を2年間かけて改修し、リニューアルオープンした。

象徴的な建物は、10000平方メートルを超えるスペースで、今回のリニューアルにより、ブティックに加え、オートクチュールとジュエリーのアトリエや、広大なギャラリー、レストラン、カフェ、庭園などを備え、DIORの歴史やライフスタイルを紹介する施設へと生まれ変わった。

クリスチャン・ディオールが、内装や立地、新古典様式のファサードなどの邸宅に魅了され、1946年12月にパリのモンテーニュ通り30番地にオープンした「メゾン ディオール」。1947年2月には、革新的な「ニュールック」と「ミス ディオール」フレグランスを同所で発表し世界から注目を浴び、同年、同じ場所に初のブティックをオープンした。当初はギフトやインテリアのオブジェなどが並んだが、シーズンを重ね数々のショーを開催。メゾンのオートクチュールを象徴する場のひとつとして75年にわたり拠点を構えてきた。

2年をかけたリニューアルでは、歴史を刻んだ邸宅を現代的で個性的な外観で刷新。建築家になりたかったというディオールの情熱や先見性などを受け、建築家ピーター・マリノが「さまざまな劇が繰り広げられるようなある種の劇場、あるいはセットデザイン」をコンセプトに、2000平方メートルのブティックを設計した。ルイ16世時代の古典主義を思わせるヴェルサイユ張りのフローリングなど、多様な時代と様式を融合し、メゾンの異なる世界観を表現したという。

扱うのは、プレタポルテ、シューズ、ニットウェア、アクセサリーやレザーグッズ、フレグランス、ディオール メゾンのインテリアアイテムなど。石材や貴重な生地など100以上の異なる素材を組み合わせたほか、屋外の庭園から室内まで、花などの自然も目を引く空間に仕上げた。フレグランスのスペースはバラのレリーフがアクセントに。メンズのオーダーメイドテーラリングを扱うスペースも用意する。ロトンドからオートクチュールサロンまで3フロアの各所に、アーティストに依頼し選んだ作品を飾り、椅子やテーブルなども多くのデザイナーによる家具を選んだ。

同店限定アイテムも取り扱う。レディースコレクションからは、「レディ ディオール」と「ディオール ブックトート」バッグ、シルクスカーフに加え、マリア・グラツィア・キウリとローマのアーティスト、ピエトロ・ルッフォのスケッチをデザインした「ディオール ミッツァ」シューズなどを展開。スケッチを刺繍したミニチュアバッグ4つで構成するボックスセットは、それぞれ「レディ ディオール」「ディオール カロ」「30 モンテーニュ」「サドル」の4種類をラインナップする。イブニングドレスは、新たな限定カラーが登場する。

 メンズの定番「サドル」バッグと「サドル」ソフトバッグには、「ディオール オブリーク」パターンを彷彿とさせるミンクバージョンが登場。ヒマラヤクロコダイルを使用した「サドル」バッグや「ディオール ロック」のヨーロッパ限定モデルもお披露目する。 

同店限定デザインの「ディオール ローズ」と「ローズ デ ヴァン」をはじめ、新たな店舗に着想を得た新ラインも登場。建物は、マザーオブパールとダイヤモンドのウォッチ「ラ デ ドゥ ディオー ル」の表面にもデザインした。香水「ミス ディオール オー ドゥ パルファン」は、世界100点限定のシリアルナンバー入りエディションとして、ミニチュアトランクに納めて発売。「ジャドール」のボトルは世界1000点限定のシリアルナンバー入りエディションだ。 

店内ではほかに、中心にあるウェルビーイング専用のアルコーブで、来店客一人一人に合わせメイクアップ、マイクロピーリング、スカルプティングマッサージを提供。30 モンテーニュ初展開となるハイジュエリーのアトリエや、オートクチュールのサロン、オートクチュールの展示スペース「ラ ギャラリー ディオール」などの空間が並ぶ。

 食空間は、メゾンの伝統と歴史を生かしたメニューや1947年から現在までのワインを提供するレストラン「ムッシュ ディオール」と、庭園内のバラ園を見下ろしながらスイーツを楽しめる「ラ パティスリー ディオール」がオープン。プライベートスイートとなる宿泊施設「ラ スイート ディオール」は、シルバーグレーからベージュまでソフトな色合いを基調に、絵画や特別に製作された鏡などのインテリアが空間を飾り、宿泊客はサロンでのカクテルパーティーやハイジュエリーアトリエのツアー、ブティックでのプライベートな夜の買い物、オーダーメイドなどのサービスを受けられる。