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Where the runway meets the street

Takay

SEKAI NO OWARI(セカイ ノ オワリ)が世界を舞台に活動するプロジェクト「End of the World(エンド・オブ・ザ・ワールド)」が、イギリスのレーベルと契約し世界デビューとなる新曲「LOST(ロスト)」(feat. Clean Bandit)を遂にリリース。セカオワとしての彼らの活躍はここで触れるまでもないが、このプロジェクトへの想いは長く楽しく、驚きの連続からスタートしている。End of the Worldのフィロソフィー、そしてここに至る道のりを、ボーカルFukaseが素直に語る。いよいよ、End of the Worldが世界の始まりを告げる。

Takay

ーーまず、SEKAI NO OWARIと今回あらためて世界デビューする「End of the World」のブランディングの違い、またFukaseさんの意識の違いはどういうところにありますか?

やっぱり一番は、英語でやろうという気持ちからスタートしたというか、SEKAI NO OWARIでも実際フランスだったりアジアだったり海外でライブをしたことが何回かあって、日本語でやったこともあるんですけど、その時に「やっぱり日本語じゃ伝わらない部分があるよね」っていう話をメンバーとしていて、「英語の曲も作り始めようか」って言ったのがすごい前です、8年くらい前ですかね。

ーーそんなに前なんですね。

はい、そこから徐々に英語の曲を作り始めていって。最初のうちは自分たちで歌詞を書いたりとかいろいろやっていたんですけど、今のスタイルになるまで、英語と日本語を混ぜたりとか、逆に日本語を記号的に使って切り貼りして……それこそボーカロイドみたいな感じでやろうかとか、すごいいろんなことをやっていて。でもやっぱりEnd of the Worldていう名前に変えないと、SEKAI NO OWARIっていうものと違うバンドとして考えないとダメだって思って、そこからって感じです。

ーー例えば「One More Night」や「Sleeping Beauty」などの英語の曲を出されていたものと、今回あらためて出すものとの違いって何ですか?

End of the Worldは日本ではほとんど宣伝してこなくて、とにかく向こうでやろうって……。宣伝してしまうとSEKAI NO OWARIとの違いが分からなくなってしまうので、あの時のやつは、まだレーベルも何もついていない時に、自分たちでライブハウスを作っていたんですけど、その時に自分たちでYouTubeチャンネルでリリックMVを作ってアップしてるっていうぐらいの時期だと思っていて。End of the Worldをやる時は、SEKAI NO OWARIを作った時と同じ、ましてや国が違うところに挑もうとしているからそれよりもっと時間がかかるだろうと思っていたので、本当に一から新しいものを始めるつもりでやっていました。だから、それでバズるみたいなことは全然考えてなかったというか、どこかで引っかかればいいなとは思ってましたけど、やっぱり海外のレーベルと契約できることがデビュー、という風に僕は思っていたので、SEKAI NO OWARIを作った時と全く同じ気持ちで僕はやってました。

ーー以前、EPICK HIGHさんなどとコラボしていたのはどういう流れで?

自分たちでもすごくいろんなことを模索して、英語の曲の中でもラップ調のものを作ったりとかもしたんですけど、実際今できているのはラップの部分は全部抜かないとアルバムには調和がとれなくて、ラップの曲はアルバムには一個も入っていないんです。自分たちが英語で歌う時のスタイルっていうものを、すごく時間をかけて作ってます。

8年くらい前から英語のプロジェクトについては考え始めて、実際に英語で曲を書き始めたのは6年前くらい。そこから英語をやったり、日本語の曲を英語にしたり、英語で最初からフレーズを考えてみたりとか、とにかくいろんな模索をしまくったというか。でも最初のうちは、自分のやりたいことよりも世の中の音楽がどういうものなのかっていうのを考えてました。僕はハードロック世代というか、パンクロックやメロコア世代だったりするので、今の洋楽には一瞬ブランクがあって。どういうものが今親しまれているのかっていうところから始めて、その中で自分たちはどういう色を持ってたらいいんだろうって。

やっぱり日本人の感覚でつくる制作と全然違うというか。日本人って「作詞作曲やってなんぼ」みたいなところがあるんですけど、海外はかなり大人数でやるスタイルなので、最初にそれに慣れていくのもすごく大変だったし、その中で自分の色っていうものをどうだしたらいいのかっていう感じで。日本で作る場合は、基本的に自分で作詞作曲して、まあメンバーの誰かしらが作詞作曲してるので純度100%の「僕ら」なんですけど。今回はみんなが純度100%を出してきて、それを集合させてすごく大きなプロジェクトにしていくっていう作り方なので、「人に合わせながら全力を出す」っていう難しさみたいなものはすごくありました。

ーーアルバム制作には、曲ごとにいろんなプロデューサーが入ってたりするんですか?

そうですね、曲によっては入ってますけど、こういうのをやれって言われるよりも、どっちかっていうと発信は僕らからのほうが多いですね。こういう感じがいいとかこういう感じにしたいってのを伝えて、実際LAのスタジオに入ったりしながら、一緒にいろいろ考えてるって感じです。

ーーイメージしてるのはアメリカですか? ヨーロッパですか?

決まっているレーベルはイギリスなので、どちらかというとヨーロッパが最初にはなるとは思うんですけど。アメリカっていってもやっぱり広大すぎて、いろんな国が混ざっているようなとこなので(笑)。

ーーイギリスのレーベルを選んだ理由は?

一番最初に声をかけてくれたというか、「デビューしようぜ」って言ってくれたのがイギリスの「Insanity Records」というレーベルの人だったので。つい最近やっと出せることが決まったばっかりなので、僕もあまり実感がないというか。ほんとに大変な道のりで(笑)。そんなあたかも昔から決まってたみたいな雰囲気ですけど、ほんの1週間前くらいにやっとサインしたみたいな感じなんで(笑)。

ーー今年の春にNEWアルバム『Chameleon』を出すというお話だったと思うんですが、それから半年くらい発売が延びてしまったのは、そのあたりのことが関係してるんですか?

それは、長い年月こうやって活動してきたなかで、契約に至るまでにすごい時間がかかってダメなこととかもあったりして、そんなことに惑わされたらやだって思って。もうやると決めちゃったほうがいいなと、自分たちででもレーベルがつかなくてもいいから。デビューする前にデモ版を出したことがあったりして、それが広がっていったものではあったんです。実際レーベルが決まって録り直しをして、それが発表されて。そういう感じで、とにかく名刺がないと先に進まないなって。結果オーライなんですけど、それはやっぱりレーベルはついた方がいいから待とうかってなって。

ーー大きな話が後から付いてきた感じですね。

そうですね、そんな感じです。だから、どんどん楽しくなってきてます。

ーーEnd of the Worldの構想は8年くらい前からという先ほどのお話だったんですが、メンバーのなかで誰が言い始めたんですか?

それは僕ですね。構想というか実際に考え始めたのは8年くらい前からなんですけど、思っていたのは10年前というか、SEKAI NO OWARIでデビューする前に、レーベルの人に「僕はゆくゆくはそういうところ(海外)も考えている」っていう話はしてました。逆に僕は、世界進出したいっていう気持ちよりも、日本だけに留まっておきたいっていう強い意志がないからこういう感じでやっていきたいだけで、「日本だけでやりたい、日本から離れたくないっていう気持ちはないんです!」っていうことを、自作したライブハウスの近くにあるデニーズで、レーベルの人が来てくれた時にそう伝えたのをすごい覚えてます(笑)。

とはいえ、日本でもある程度やらなきゃいけないというか、僕はSEKAI NO OWARIでJ-POPをやりたいと思っていたので、それはちゃんとしっかりやりながら、軌道に乗り始めたなと思った時から、薄っすらともう一個のプロジェクト(End of the World)をやりたかったのはあります。

これは性格なんですけど、僕は2WAYがすごく好きなんです、1WAYが苦手で……。だから、SEKAI NO OWARIとEnd of the Worldを2本やっているのは、すごく自分にとっては心地良くて、たぶん、人によってはすごく気持ち悪いと思う人もいると思うんですけど。二足の草鞋とまではいかないですけど、僕はなんか、End of the Worldにマジになりすぎてる時はSEKAI NO OWARIをちょっと箸休めみたいにできるし、SEKAI NO OWARIにガーッとなってる時はEnd of the Worldで小休止みたいなことができるので、とにかくあまりプライベートがいらないというか。遊んでると心配になるタイプなので、ずーっと何かしていたいタイプではあるから(笑)。そういった意味でも、他に何か欲しかったっていうのはあります。

ーー人格が違う感じですか?

人格も違いますね、全然。でも最初はすごく違うものだなあと思って作ってましたけど、最近はなんか、元となる自分が同じだから、結局あんまり変わんないのかなと。

ーーでは、新曲「LOST」についてお伺いさせてください。

これも3年くらい前からあるプロジェクトで、1曲出すのに3年もかかるのかって感じだったんですけど。じつはこの曲だけじゃなくてもう少し他に候補があって、途中まで作ってああでもないこうでもないっていうのを何度も繰り返していくうちに「LOST」のデモが上がってきて、それが2年くらい前で、そこから切磋琢磨して……。僕はボーカルを4回? いや5回録り直しましたよ(笑)。そんなこと今までしたことないですし、キーも変えたりとか。

最初僕は、これはキーが高すぎて歌えないからキーを戻してくれって言って、戻してもらってレコーディングして、そのあとクリーン・バンディット(Clean Bandit)が聴いて、やっぱり高い方がいいよって言われて、また録り直して(笑)。なんで5回も録り直したのかは忘れたんですけど、キー変えもあったりとか、いろんなことやって……やっぱり、より良くしていきたいっていう気持ちがあってそうなったんだと思います。

リリースが決まってない分、とにかくずっとお互いでああでもないこうでもないと……。最後の方にクワイヤ(バッキング・コーラス)が入って、「ああ、なるほどこれが入ると相当良くなったな」みたいな感じで2、3年かけて、じわじわじわじわとやっていった感じですね。

ーー作詞作曲というよりは、そういうアレンジの部分で時間がかかった感じですか?

そうですね。作詞作曲の概念が日本みたいにしっかりしてなくて。わりとみんなでわーっと意見を出し合って、スタジオセッションみたいな感じだったりとか、意見交換しながらやっていくスタイルですね。やっぱり日本のミュージシャンみたいにシンガーソングライターが一人になって考える、みたいな感じでは全然なくて、かなりオープンじゃないと作曲に参加させてもらえないくらいだから(笑)。僕みたいなシャイ人間はかなりきつかったです(笑)。うちのメンバーのNakajinとSaoriちゃんがすごい社交的な2人なので、あの2人に「ちょっとこうやって言っといてよ」とかお願いして(笑)。そこはチームワークでやりました(笑)。

ーー日本と海外の作り方の違いについては、僕も何度かいろんなアーティストの方に伺ったことがあるんですけど、やっぱり全然違いますか?

全然違いますね、ビックリしました。正直すごい戸惑いました、最初は。なんか音楽というか歌っていうのは、自分が思っていることを自分の部屋で自分で作るもの、っていう意識があまりにも強すぎて。でも音楽がそういうものなだけであって、例えば映画は、プロデューサーがいて監督がいて演出がいて脚本がいてっていうふうに、すごくいろんな人たちのアイデアが集まってできる“プロジェクト”じゃないですか。なので、僕も音楽をプロジェクトだと思えばいいんだって。そう思ってからは、僕のなかではすごくスッキリしました。自分の“作品”って思うよりも、プロジェクトに参加しているっていう感覚の方がやってて良かったって思えるし、それがなんかチームワークなんだなってすごく思っています。

ーーそうですね。個人的な話なんですが、最近まで初めて映画を撮っていて、映画の現場に初めて入って。本を作るとか雑誌を作るとかって、もちろんいろんな人がかかわるとはいっても、ある程度自分一人で構想して台割決めてああしてこうしてって……極論言うと自分一人で作れちゃうというか、自分の考えをみんなに伝えて作ってもらうということができたとしても、映画となると、それが全く通用しないというか。本当に全く何もできないんだって、結構本気でビックリして……。全く同じではないんでしょうけど。

映画を作っていくのに近い考え方だなっていうのは、今回僕もすごく思いましたね。映画をやっている友人とかにいろいろ聞くとそのバランスの取り方とかが似ているなと。今回もアルバムでいくつか曲を作っていて、僕の意見とかやりたいことがすごい採用された曲もあるし、逆にあんまり採用されなかった曲ももちろんあるんですよ。それは『Chameleon』ていうアルバムのプロジェクトにおいて、自分の役割を全うした結果だと思っているので、ある種いろんな人を信頼して作ったというか、閉鎖的じゃなくてすごくオープンに作ったという感じです。SEKAI NO OWARIで作った『Eye』と『Lip』ていうアルバムはわりと閉鎖的に作ったもので、結構4人でできちゃうものだったので、自分たちだけの世界観だなあと思ってるんですけど、今回はそれよりももっとオープンで、レコーディングした後に海外のチームとかとBBQしたりして(笑)、そういうのも含めて全て詰め込まれているというか、そんな意味でも“プロジェクト”だなと思っています。

ーーそれは『Chameleon』というアルバム・タイトルに、そういった意味がリンクしているんですか?

いろんな戸惑いのなかで、例えばラップのような曲を作っている時は、そういう海外のラップの音楽に近づくように自分が色を変えていったりとかして、なんか海外の作詞作曲スタイルだったりとかに自分がすごく合わせていかないと、日本ではこうだから、って言ってもどうにもならないので。自分がカメレオンのように色を合わせていくんだけど……そのなかで、これってほんとに自分である必要があるのかっていう葛藤も、じつはこの数年間の間に何回もあって。自分の色を探しているけれども……カメレオンの形ってすごく特徴のあるものじゃないですか。カラーは変えるけど、その本体である形は変えないっていう。そのカメレオンの姿を見て、ああ、なんか今の自分たちみたいだなあと思って。色は変わるけど特性は何も変わってないっていうところが自分たちの姿と重なって、そこがいいなあと思ってタイトルに付けました。

Takay

ーーなるほど。ではこのプロジェクトを和田さん(「End of the World」クリエイティブ・ディレクター)と一緒にやろうと思ったきっかけは何ですか?

和田さんと飲んでた時だよね(笑)。

和田直希(以下W) そう、飲んでた時ですね。

一緒にやろうよーって(笑)。

W 海外の音楽業界はこうだよ、とかいろいろ話をしているうちに、そんなこと言うなら「一緒にやろうよ」って言われて(笑)。

そしたら飲んだ次の日くらいに和田さんから「一緒にやろうって言ったの覚えてる?」って連絡が来て(笑)。「覚えてますよ!」ってすぐ返して(笑)。ちょうど僕もなんか新しいチームが欲しいなって思ってた時期ではありますし……でもなんか、ノリですよね。

W うん、そんなにビジネスっぽくないというか。バンドを組むような感覚で(笑)。

そうですそうです(笑)。

W あ、バンドを組んでしまった……みたいな。だから始めは、やるといったのはいいものの俺何するの? っていう感じで。

そうなんです。和田さんとやることは僕のなかではもうずっと前から決まってたんですけど、和田さんが何をするかは何も決まってなくて(笑)。どうしよう、どこをやりますか? みたいな感じで連絡を取り合いながら決めたっていう感じです。

W End of the Worldというプロジェクトに必要な要素だろうなとは思っていたので、クリエイティブの部分は得意なのでやりますって感じで。

ーーMVとかも和田さんがかかわってらっしゃるんですか?

W 今回のMVは、僕が日本で一番信頼している映像監督の山田智和くんが監督をしてくれています。彼は米津玄師さんの「Lemon」やあいみょんの「マリーゴールド」も撮っている方で。その後、今後オープンするウェブサイトだったり、音楽以外のところを僕がやっています。さっきFukaseも言ってましたけど、それがSEKAI NO OWARIのすごいところなんですけど、自分たちであそこまでの世界観を作っているっていうことは、周りのクリエイターからしたら、一緒に(クリエイティブを)やってみたいと思う人がたくさんいるんですよね。だからそういう意味でも、今回そうそうたるメンツが参加してくれて本当に楽しかったです。撮影の後も何回も「いつ出るの? すごく楽しかったんだけど」みたいな連絡を本当にたくさんもらったりして。でも最初はやっぱり「バンド組もう!」みたいなノリだった気がする(笑)。

そうだね(笑)。

ーービジュアル撮影はどこで行ったんですか?

W 日本で撮りました。日本から出て行くっていうスタンスなので、あまり外タレみたいな感じにはしたくなくて。“海外を見ている日本の血”みたいなところをしっかり見せられたらなと。今後は変わっていくと思うんですけど、やっぱりスタートは大切にしたいなと思って、僕の思う“オールジャパンチーム”でやりました。

ーーすごくかっこいいです!

すごく気に入ってます!

W やっぱり普段から飲んでて一緒に仕事するって最高ですよね、会うことに対してストレスがないから。仕事で打ち合わせのスケジュールとかお伺い立ててって感じではなく。すごい楽しいですよね!

ーー今後、End of the Worldのライブなど活動予定はありますか?

もちろんライブもやると思うんですけど、具体的な日程はまだなくて。絶対すると思います! 世界ツアーじゃないけど、そういう勢いのものを。そんなに大きい規模じゃなくても、もちろん楽しいんですけど。SEKAI NO OWARIとは別物だっていうのがあるので、これからいろんなことが楽しみです!

 

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