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CLASS WAR, MILITANT, GATEWAY (1986) Exhibition view at Fondation Louis Vuitton (2015) © Gilbert & George Photo credits © Fondation Louis Vuitton / Marc Domage

ブランド:LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)

エスパス ルイ・ヴィトン東京は、ギルバート&ジョージの大型3連作品「Class War, Militant, Gateway(階級闘争、闘争家、入り口)」(1986年)を日本で初めて展示する。

展示は、フォンダシオン ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン財団)コレクションの所蔵品を世界の幅広い層に向け「Hors-les-murs(壁を越えて)」紹介するプログラムの一環で実現。日本でギルバート&ジョージの作品が展示されるのは2009年以来となる。東京のほか、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンでも展示を行う予定だ。

ギルバート・プロッシュ(1943年、イタリア・サン・マルティーノ・イン・バディーア生まれ)とジョージ・パスモア(1942年、 英国・プリマス生まれ)は、1967年にロンドンのセント・マーチンズ・スクール・オブ・アートで出会いユニット「ギルバート & ジョージ」を結成。1969年には、最初期の公開パフォーマンスの一つ「Singing Sculpture (歌う彫刻)」を実演し、同作ではブロンズ粉を顔に塗った2人がテーブルの上に立ち、カナダ人映画監督レッド・デイヴィスの映画『Underneath the Arches(アーチの下で)』(1937年)の表題曲を口ずさみ、「生きた彫刻」を表現。

1971年からは、「万人のための芸術」の推進を目指し写真を用いるようになり、英国などの大衆文化の寄せ集めを「再生利用」。メディアを賑わす宗教やセクシュアリティ、暴力などを作品の主要テーマに据え、2人がユニットとしてのキャリア開始時に住んでいたロンドンのイーストエンドの労働階級居住地区での暮らしに着想。作風であるフォトモンタージュは、細かなルールにより厳密に構成され、白黒で始まりその後はカラー化。格子状の構成はステンドグラスにもなぞらえられてきた。2004年からはコンピューターグラフィックスも使用し始め創作の幅を広げている。

フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションには、ギルバート&ジョージの最新シリーズからの作品も加わり、1971年〜2019年の作品群が揃う。3連作品となる「Class War, Militant, Gateway(階級闘争、闘争家、入り口)」は、同ユニット初の大作となるもので、共同体への所属から、個人的良心や自己肯定の出現まで「個人の冒険」を描く。イメージは黒枠の格子状に配置され、赤・白・青が主体のフリーズ(帯状装飾)を呈する。垂直的な「抑圧のピラミッド」や、前景にいる全ての人物に穿かせた簡素な長ズボンや短パンなどの青い仕事着を通して社会の水平性や民主的な調和を表した。

会期:10月14日(木)〜2022年3月6日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7階
開館時間:11:00〜19:00
入場無料・予約不要
※休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準する