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Life beyond style

占いの歴史は長く、邪馬台国の卑弥呼の時代からあったとも言われ、公的機関としての役割も担っていた時代もある。今日に至っても、ビジネス成功の裏に占い師の存在があったり、朝の情報番組やファッションメディアでの占いコーナーはお決まりの人気コンテンツになっていたりと、占いと実生活の結びつきは強い。それは、社会におけるスピリチュアリティの重みを暗示している。特にデジタルトランスフォーメーションやAIなどのテクノロジーのネクストウェーブがそれを加速させている。

フジテレビ系の人気番組「突然ですが占ってもいいですか?」に出演する占い師、木下レオン。おもんばかるそのまっすぐな眼差しと他者を慮る重みのある言葉に涙する人も少なくない。それは占いが、過去を言い当て、未来を予測すること以上に、精神的価値観への大きな役割を果たしているからだ。

——ずばり、占いとは?

占いでこれから起こることをある程度予想して、悪いことが起こらないように徳を積んでいく。人生の羅針盤であり、人生の地図を出していくことですね。

基本的には誕生日で人の宿命や役割はある程度決まっています。ただ、運命は宿命とは違い、変えていくことができます。ご自身の行いや努力、親を大切にし、先祖供養をすることで変わってきます。占いで、良い時と悪い時のリズムを見ながら、生活するのがいいと思います。

——困難が多い人もいれば、そうでない人もいるというのが宿命ということでしょうか?

困難がある人は、その原因をつくっています。どうすべきかというと、徳を積むしかない。徳を積むにはどうするのか。先祖供養や親孝行、「いただきます」など、当たり前のことに感謝をすることが大事です。

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——占いとの出会いはいつですか?

祖父と母親が占い師で、小さい頃から占いがある環境で育ちました。社会に出てからは、サラリーマンをしていました。サラリーマンとして働いていた時には、子供や犬の名前を決めてあげたり、いい数字を教えてあげたり、(気がついたら自分が)周りの人を占っていました。そして、30歳で飲食店の経営を始め、お客様に無料で占いを始めました。

2019年の12月中旬に15年続けた店を閉めて、東京に。「世に宣伝される」「リーダーに立つ」「神様に役割をいただく」、この3つで東京の方位が占いで出たんです。「思いきって行きなさい」という囁きも入ったので。そうしたら1カ月くらいでテレビ番組への出演の話をいただきました。

——レオンさん特有の神通力とは?

囁きが入ってくるんです。常々入ってくるわけではないんですが、ふと心と心が通うと……人生に迷った時にパッと言葉が降りてくる。でも本当に僕が得意とするのは、パッて見た時にその人の未来が視える。大体そうなります。自信があります。ただ、しょっちゅう視えるわけではないんですが。

——人を視るのは疲れませんか?

占っている時はやっぱり疲れますよね。リモートは、本当に疲れます。

——占いとの関わり方についてお聞きしたいのですが?

なんでもバランスだと思います。肉ばっかり食べていると体がおかしくなります。春夏秋冬、自分のリズムを知る学問(占い)、努力、親孝行の3つをバランスよくするべきだと思います。親がおらんかったら先祖供養を。偏ったらダメですよ。占いで、「私、今月の運気が良かった」と何もせんかったら、何もならないですからね。恋愛運が良くても家にずっといたら誰も来ないですよ。行動に移さないと運は入ってこないですね。信じる人も信じない人も占いをいいように活用したらいいと思います。

——フジテレビ系突然ですが占ってもいいですか?の番組の中で、スピリチュアルにハマりすぎてしまった方がいらっしゃいました。バランスの線引きは難しいところだと思いますが……。

あの方はその時はスピリチュアルに救われていたんですよ。しかし(亡くなった)旦那さんと会話をするためにお金を払うのは違うと思うんですよね。今を知って、(占い師は)未来に向かわせないといけないんですよ。

占いは過去を話して解決しながら、その人のいいところや思っていること、過去のトラウマを見つけ、今を知りながら未来に導くことが大事かなと僕は思います。過去に引っ張るのではなく、未来に導いてやらないといけないんです。

「原点はやっぱり愛だと思うんですよ。愛に始まり、愛で終わる。その状況は自分で作るものだと思います」

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——日本の占いの歴史は長いです。こんなに長い間、私たちの生活と関わってきたのはなぜだと思いますか?

必要な学問の一つでもあると思いますし、結果も出ていると思います。徳川家康公のお墓もすごく緻密な風水と思想で建てられており、安倍晴明も諸葛孔明も風水を取り入れてきました。弘法大師、空海も九星気学を持ってきた人。トップリーダーは占いを使用していたんじゃないかと思います。

——占いを続けてきて、つらかった経験はありますか?

30歳で店を始めて1年後に、足が動かなくなりました。「もらった」んでしょうね。そこは苦しかったです。今は修行してるのでもらわないですよ。

でもいっぱい悩みをもらうわけで……例えば、苦しんで僕のところへ来て、話を聞いてハッピーになるじゃないですか。その業はどこへ行くのか。一番近い自分に来るわけです。その業を使っていたのが安倍晴明ですよ。式神といって、人の念を取ってものすごい憎悪にして殿様に送りつけていました。

——レオンさんはいつもスーツでキメていらっしゃいますよね。

今までの占い師のイメージを払拭したかったのでスーツです。サラリーマンをやっていたからスーツも好きやったし。襟巻きをつけた方がインパクトあっていいかなとかいろいろ考えたんですが、最終的にはスーツに決めました。好きな格好のままでやった方がいいかなって思いました。

——好きなブランドはありますか?

スーツは「TOM FORD(トム フォード)」。占い界のジェームズ・ボンド。人を助けるわけじゃないですか。青いスーツは「ARMANI(アルマーニ)」と伊勢丹でオーダーした2種類を持っています。あれをトレードマークにして頑張ろうと思ったんですけど、母親から連絡が来て、「あれしか持ってないと思われるけんやめて」って(笑)。そう言われたけん変えてみようと思って。

——外見だけの人は分かりますか?

分かります。人それぞれだと思うんですが、自分に自信がないから飾っている人もいると思うんですよ。自分を出したくても家庭環境や性格で出せない人もいると思う。それはそれでその人の良さだと思うけれど、間違った出し方、間違えて出していない性格は伝えます。ただいきなりは出てこないので、ジワーっと話しながら。

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——ファッション業界の今後についてお聞きしたいのですが?

タイミング的にコロナとかぶるんですけれど、ファッション業界の年周りが来るのは2年後になっています。それぐらいから良くなると思います。ファッションは特に2年後にチャンスが来る。ファッション業界全体に来るかといったらそうではありません。2年後に向けて努力している人です。

——日本全体で見るとどうですか?

今年も来年も悪いですよ。日本も世界も占いで言ったら鬼門にいるんです。丑年でしょ?丑と虎っていうのは、丑の刻と言って北東に当たります。北東というのは鬼門なんですよ。だから我々は今鬼門にいる。この時期にどう過ごすかっていうのが大事になります。

日光東照宮は鬼門避けにあるんですよ。日本全体としては富士山、神様は富士山から始まります。その富士山を中心として建てられたのが日光東照宮です。鬼門を避けてもらうから、日光東照宮は特に今年行った方がいいです。悪い時の生活のしかたとしては、準備と努力、徳を積んだ方がいいです。再来年には徐々に良くなるので、その時に思い切れるくらいの馬力があるように準備をしておいてください。今年や来年に勝負をして、来たる良い年に馬力がなかったらもったいないですから。

——神社と仏閣は一緒にしない方がいいですか?

(一緒にしても)いいですよ。ただ言いたいのは、あちこち行って、ご利益、ご利益、ご利益ばっかりはダメですよ。ご利益があれば感謝をするだとか、目的を持って行かれた方がいいですよ。

簡単に言うと、神社はお願いをしに行き、お寺は感謝をしに行くので、自分が捧げるものが多いんですよ。神社は「ください」(という考え方)だから、開運になりそうな感じがしてみんな好きなんです。僕もそうでした。

開運と言ってもお金をもらえるわけではありません。何かしらの(他者への)愛がないと、仏様も神様も動かないと思います。お金が欲しいのであれば、それを何に使うのか。自分がいい服着たいとか美味しいもの食べたいとかだけではいけません。

——著書には、「生き金」と「死に金」というお話がありました。誰かのために使うお金は「愛」であると。

間違いないです。原点はやっぱり愛だと思うんですよ。(生まれた時に)愛で始まって、亡くなる時に愛がなかったら寂しくないですか?愛に始まり、愛で終わる。その状況は自分でつくるものだと思います。

自身で愛を育んでいけばいい。大きい愛も小さい愛も。(愛が)あった方がグッと来るじゃないですか。あれだと思うんですよ。強要するもんじゃないんで、勝手に僕が発信して、共感できる人が共感して、それをどう取り入れるかだけだと思います。

——自身を占った時に、占いを終えるというリズムは視えたことはありますか?

今は正直視えないです。私情が入ってしまうと視えないこともあるので。ただ、占った人は絶対に救おうという気持ちで挑んでいます。そして毎日救える人との縁をくださいと願っています。番組で伝えるからには責任もあります。きついとは思いますが、ブレません。初心を忘れずに続けていくつもりです。やっぱり愛で始まり、最後は愛で終わりたい。人生と一緒です。

木下レオン
福岡県・博多出身。占い師の家系で育ち、幼少期から占いの英才教育を受ける。『四柱推命』 『九星気学』『神通力』をもとにした、オリジナルの占術『帝王占術』を用いて鑑定を行う。現在、 フジテレビの人気番組『突然ですが占ってもいいですか?』に出演中。

『突然ですが占ってもいいですか?』 フジテレビ系列で毎週水曜日 22:00〜22:54に放送されている占いバラエティ番組。