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東京・六本木の「小山登美夫ギャラリー」は6月22日(土)から、現代美術家・菅木志雄の企画展「測られた区体」を開催する。

1944年盛岡市生まれの菅は、1968年多摩美術大学絵画科を卒業し、60年代末〜70年代にかけて起きた芸術運動「もの派」の主要メンバーとして活動。以降50年以上にわたり国内外で約400回に上る展覧会で作品を発表するなど精力的に制作活動を続け、戦後日本美術を代表するアーティストの一人として知られる。

近年では、2017年ヴェネツィアビエンナーレ国際展で、水上でのインスタレーションとして代表作「状況律」を再制作して注目を浴びたほか、作品は2018年に収蔵された仏「ポンピドゥ・センター」などに加え、英「テート・モダン」、米「グッゲンハイム」、国内の「東京国立近代美術館」「東京都現代美術館」など多数の美術館に収蔵されている。

菅は、石や木、金属などの「もの」に対する既成概念を徹底的に問い直し、その本質や存在性(リアリティー)とは何かを再認識していく。単なる「固体」や人間の主観によって意味を与えられた「客体」として見る「もの」ではなく、独自の論理と方向性、人の反応も取り込んだ現在性を持つ存在として捉え、可視化してきた。

同展では、もの同士や空間、人など世の中のものに対するあらゆる「関係性」に加え、ものが「連続性」や「流動性」「志向性」を示唆し、一定に留まるのではなく時間経過とともに動き、変容する「無常」であると捉え、一つの流れと考える菅の最新作を公開する。

潜通  Latent Passage 2019 wood, acrylic h.182.5 x w.138.0 x d.17.4 cm ©Kishio Suga
景間律 Law of Interstitial Scenery 2019 wood, acrylic h.180.7 x w.135.0 x d.37.3 cm ©Kishio Suga
空積 Stacked Voids 2019 wood, acrylic h.180.5 x w.135.0 x d.24.2 cm ©Kishio Suga
自続因 Cause of Self-Continuation 2018 wood, acrylic h.89.9 x w.125.0 x d.10.7 cm ©Kishio Suga

同ギャラリーでは「菅作品を鑑賞することで、普段の意識から解放された新しい眼や活性化された精神を手に入れるきっかけを持つことができるでしょう。菅のエネルギー溢れる最新作をご覧に、ぜひお越しください」と来場を呼び掛けている。

会期最終日の7月20日(土)にはサイン会も行う予定。

菅木志雄展「測られた区体」
会期:6月22日(土)~7月20日(土)
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665 2階
開催時間:11:00~19:00
休廊日:日曜・月曜・祝日
入場無料