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Where the runway meets the street

今月初めに行われた2022年グラミー賞授賞式では、アンダーソン・パーク(Anderson Paak)とブルーノ・マーズ(Bruno Mars)が4つの賞を受賞した。それは2人のバンド、Silk Sonicの勝利の瞬間であると同時に、70年代スタイルが勝利をおさめた瞬間でもあった。

明確ではないトレンドとして出発し、GUCCIのアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)とハリー・スタイルズ(Harry Styles)に先導されてきた70年代ファッションは、今や大衆文化にすっかり定着し、実質的に70年代の装いで現れたパークとマーズの姿に驚く者は誰もいなかった。スウェード調のスーツにオーバーサイズのラペル、大ぶりのカラーサングラス、フレアパンツ。そこにマーズは白いフリルのついたシャツを合わせ、パークは肩まで届くシルキーなウィッグでさらに一歩踏み込んだルックを見せた。

 

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2人のバンド「Silk Sonic」は、70年代ルックをイメージのベースにしている。彼らを含めた多くの有名人やデザイナーの働きにより、70年代ルックはファッションの主流の領域入りを果たした。

70年代のファッションには、しばしば敬遠されるが敬遠されるべき理由など絶対的にないフレアパンツや大きな襟のシャツなど、年間を通して着ることのできるアイテムが多い。トラヴィス・スコット(Travis Scott)が穿いた足首の下までかかるパンツや、下の写真のアカデミー賞授賞式でのレイキス・スタンフィールド(Lakeith Stanfield)のワイドラペルシャツ姿などもその例だ。

ビッグパンツやビッグカラースーツの場合、70年代の主張が非常に強いが、セーターベストやショートパンツなどのカジュアルなトレンドアイテムであれば、さりげなく70年代の要素を取り入れることができる。おまけに年々暑さを増す春の気候にも最適だ。

大ぶりのサングラスから70年代風のスニーカーまで、70年代スタイルがいかに暑い季節に最適であるかがお分かりいただけるような形で、購入可能アイテムを以下にまとめてみたい。

この春夏に最適な1970年代スタイルのお買い物にあたって以下をご一読あれ

ビッグサングラス

1970年代は、着こなしで主張をする時代であった。60年代の保守主義の片鱗の残存に対する疑問が高まり、大胆な服装やアクセサリーがあらゆる場所で目につくようになった。当時のスタイルリテラシーとして流行したのがビッグサングラスだ。70年代スタイル推進派の代表格であるGUCCIやBOTTEGA VENETAの影響で、オーバーサイズのフレームが再びこの夏の必須アイテムの筆頭に浮上している。

ポロシャツ

ポロシャツと言えばいつの時代も定番アイテムだが、70年代にはタイトな編みのものが主流で、しばしばDries Van Notenのように裾に太いリブの付いたものや、MISSONIのように鮮やかな柄物が登場していた。近年ではスケートブランドのPALACE SKATEBOARDSやSupreme、PRADAやGUCCIなどがこの時代のポロシャツを展開している

ステートメントシャツ

レイキス・スタンフィールドがアカデミー賞で見せた着こなしが大きな話題となった。SAINT LAURENTのジャンプスーツも完璧だったが、スーツの下に着ていたワイドラペルのシャツがあってこそ、より印象的な装いが完成していた。70年代の夜のスタイルの最強の武器であったワイドラペルシャツ。キリッとした白でさりげないコントラストを加えるもよし、60年代スタイルもまだ捨てがたいという方にはオールオーバーフローラルプリントもある。

ショートパンツ

股下の長さを巡る議論は、Instagram、Tik Tok、Twitter、そしてHighsnobietyのオフィスでも続いている。しかし1970年代であればパンツ丈など、全く議論の対象になっていなかったかもしれない。当時ショートパンツの丈と言えば、絶対的に5インチ以下と相場が決まっていたからだ。

アイコニックなスニーカー

ある年代のスタイルがどれだけ優れたものであったかを知るには、それが現在どの程度参照されているか、ということが有効な尺度となる。現在のスニーカー市場、特に人気の高い定番のシルエットを見れば、1970年代のスタイルがどこにも通用しないことは一目瞭然だ。