西垣匠が語る映画『みーんな、宇宙人。』の世界観
最新映画『みーんな、宇宙人。』では、恋愛について戸惑いをみせつつも少しずつ成長していくショウ役を演じる西垣匠。映画は先日6月7日に全国公開され、CINEMAランキング通信のミニシアターランキングでは初登場3位にランクイン、邦画では1位を記録。勢いが止まらない映画『みーんな、宇宙人。』の不思議な魅力について語ってもらった。
——相手役のピーチ(Moja)の撮影時の印象は?
やっぱりかわいいですよね、僕のことを好きでいてくれるし(笑)。たまに毛流れがどこか行っちゃったりとか。転げ落ちたりとかアクシデントありましたけど、最後まで難なく撮影できました。カバンに入れちゃったりとかしましたけど、終始ラブラブでした(笑)。
——『みーんな、宇宙人』の本編をご覧になった感想は?
台本を読んだ時、世界観も全然想像つかないし、どうなるんだろうって思いました。僕、他のメインキャストの方たちとは撮影でお会いしてないので、他の人たちが演じるシーンがどんな感じなのかすごく楽しみにしながら観たんですけど、終始とてもいいあたたかさ。ボーッとしながら観れるし、でも劇中で話してることは結構いろんな人が悩んでる本質的なことだったり、なんかそういうものをMojaと絡みながら不思議な世界観で、色鮮やかなファッション絵みたいな感じの映画でした。どういう視点で観ても飽きないと思いましたね。出演シーンも1人15分ぐらいで、ストーリーとしてもものすごく観やすく、映像の雰囲気だったり、Mojaや俳優陣に注目しても面白いですし、ファッションを観てても面白いので、いろんな楽しみ方がある作品だと思います。
——ショウ役を演じてみていかがでしたか?
恋がわからないとか、最近の若者は特に多い悩みだと思いましたね。見た目も不思議な感じの衣装でピーチと一緒なので、ある程度のインパクトはあるし、僕は特に「何かをしよう!」とか、役に対して着色しようっていうつもりは全くなかったです。だからこそ、自然にピーチと会話しようと思ってやってました。
——思い悩んでいる感じというよりは、素でいようという感じですか?
そうですね。ショウくんは、自分の中でも恋愛がよくわからないみたいな感じでしたね。
——人間ではないMojaの演技はいかがでしたか? 現場でのエピソードがあれば教えてください。
ピーチ役の冬由さんが、声の感じとか、ピーチちゃんの話し方とか上手に演技していただいたので、ものすごくお芝居しやすかったです。ピーチちゃんを見てると奥に全身青タイツの人がいるから、それは見ないようにして(笑)。でもそっちの方が、余計なことは考えないで集中できました。あと、暑かったですね、すごいムシムシしてて。ゲリラでスコールも降ったし、あの日、「これ、大丈夫かな?」ってなりながらの撮影でした。僕の髪の毛が湿気ですぐ(ウェーブのスタイリングが)ストレートになっちゃって。ほんとにワンカットごとに巻いてた記憶があります。逆にピーチちゃんは湿気でうねってきちゃうし。
——他の方の出演シーンで気になったところは?
やっぱり拓弥くん(草川拓弥)の「ラップはすっごいなあ!」って。あれ、いつ覚えたんだろうと思いました。本人とも、その撮影後に別の仕事で一緒だったんですよ。それで「なんか俺ラップやったんだよね」みたいなこと言ってて、「え!?」ってなって。台本には書いてないんですよ、ラップバトルの内容が。だから楽しみにしてたんですけど。すごいなあって思いました。ちゃんとリズムに乗りながらやってて。僕、『フリースタイルダンジョン』とか、そういうトーナメント制でやるラップバトルを観るのが好きなんですよ。ちゃんと韻も踏んでるし、気持ちも乗ってるし、すごくいいラップバトルだなと思いながら観てました。やっぱり普段から踊ったり音楽に触れてる人だから上手なんだなあと思いましたね。よく噛まずに言えるなって。
——ラップの監修はGOMESSさんです。
GOMESSさんがやったんですか? だからメッセージ性強いんだ!
——実際の世界にMojaが現れたとしたら、どんなことを話しますか?
「なんでこの星ですか?」って聞きます。思うんですけど、この地球から他の生命体がいる星には行けてないわけじゃないですか、今の地球の技術では。でも、逆にモジャの惑星からだったら来れる。ということは、地球って宇宙の中で見たらめちゃくちゃ田舎だと思うんですよ。文明もたいして発達してない。他にも宇宙人はたくさんいて、宇宙の中にはいろんな惑星があって、いろんな宇宙人が住む星がたくさん存在してるのに、「なんで地球なの?」って思います。でもロマンがありますよね、宇宙には。
——話は変わりますが、今まで行かれた海外で好きな場所は?
行ったことある海外が、ほとんどフェンシングの試合なんですよ。ヨーロッパが主ですね。イギリスも行ったことがあって、あとはドイツ、デンマーク、オーストリア、スロバキアかな。フェンシングの試合で、1週間行ってたら水曜の午後が休みになったりするんですよ。デンマークはめっちゃ寒かったですけど、電車に乗ってコペンハーゲンに行き、『リトル・マーメイド』のアリエルのモデルになった人魚姫の童話があって、その銅像を見に行きました。あと有名な建物を見学しにみんなで回ったり、街並みが歴史があるような煉瓦造りだったり、どこを撮ってもいい感じの絵になるので、デンマークは結構好きですね。
——フェンシングをやるきっかけは?
きっかけは父が元々選手で、その流れで。気がづいたら石川県の地元のフェンシングクラブでやってました。父が指導者として教えに行ってたので、まず観てみるってなって、ちょっと経ったら今度やってみる? って言われて、気づいたら試合に出てました。父は本当に強かったんですよ。指導者としてもすごく尊敬してたので、それでずっと続けていて、そのうち大学生になってましたね。
——映画の話に戻りますが、宇賀那監督の印象は?
僕はわりと自由にさせていただきました。こういうことはこういうふうにやって、とかありましたけど、監督も自然に自然にっていう感じでした。一個だけ申し訳なかったなと思うことがあって。ブランコに乗ってるシーンでしけど、ブランコを漕いで話してほしいって言われてたんですよ。でも、僕の三半規管弱すぎて途中で気持ち悪くなっちゃうから、「すみません、漕げないです」ってなって、そこだけ監督の要望に応えられなかったのが心残りだし、申し訳ない気持ちです。「ごめんなさい、無理です!」って言っちゃったんですよ。
——この映画をどういう人に届けたいですか?
何かに悩んでる人だったら、どこかの話で刺さるんだろうなって。そういう脚本だなと思います。何かに悩んでる人って言ったら、きっとみんなになっちゃうと思うんですけど。でも、映画やMojaを通して、一つでも自分の中の解決の糸口が見つかればいいなと思います。僕のシーンは恋愛だし、いろんな人の悩みに沿った作品になってると思うので、そういう方々に届けばいいなと思いますね。
——最後に映画の見どころは?
見どころは結構たくさんあるんですよね(笑)。まずはざっくり、世界観を楽しんでほしいなと思います。怪しいぐらいの世界観なので、これどういう意味? とかじゃなくて、このMojaの世界に身を投げ出して観ること自体が見どころだし楽しみ方かなと思います。
『みーんな、宇宙人。』
【あらすじ】
ある日、誰かの役に立とうとビルの屋上で「オレオレありがとう」を繰り返すセイヤ(兵頭功海)のもとに、突然何かが空から落ちてくる。セイヤが電話を切ると、エメラルドブルーの毛がモジャモジャの見たことのない生き物ーーミントがそこにいた。ミントと他愛もない会話をして仕事へと向かうセイヤだが、その後、体型にコンプレックスを抱くミサト(菊地姫奈)のもとにオレンジ、自分に自信が持てずネガティブなショウ(西垣匠)のもとにピーチ、寂しがり屋な女の子・レイ(三原羽衣)のもとにオリーブ、人間を強く信じるヒロト(草川拓弥)のもとにクロウ、これまでの人生に悔いがあるミステリアスな人物・リュウ(YU)のもとにグレープというミントの仲間たちが次々現れ、会話を通してお互いのことを少しづつ理解し始める……。
出演:兵頭功海/菊地姫奈/西垣匠/三原羽衣/草川拓弥/YU/麿赤兒
関本巧文/詩歩/冬由/儀間咲彩/佐々木穂高/栗山かほり
監督・脚本:宇賀那健一
プロデューサー:戸川貴詞
主題歌:NIKO NIKO TAN TAN「No Time To Lose」
制作:VANDALISM
配給:エクストリーム
製作:CAELUM
公式サイト:https://www.mojamovie.com
公式SNS(X・Instagram・TikTok)/@moja_pjt
2024年/日本/93分/5.1ch/16:9/カラー/DCP
©2024 CAELUM
- PHOTOGRAPHY: HIDETOSHI NARITA
- STYLING: AI SUGANUMA(TRON)
- HAIR&MAKEUP: YOSUKE AKIZUKI