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Where the runway meets the street

ブランド:GUCCI(グッチ)

GUCCIは1月13日(現地時間)、2023年メンズ秋冬コレクションを発表した。

昨年11月にアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)がクリエイティブ・ディレクターを退任して以降、初のランウェイショーで披露したコレクションは、「即興」とそれによって起きる状況を、表現手法として取り入れ、同ブランドに携わるクリエイターや職人たちの個性を反映させた。

ショーでは、ギタリストのマーク・リボー(Marc Ribot)率いるロックトリオ「セラミック・ドッグ」が、ショーに合わせて構成したサウンドトラックに乗せ、ランウェイに囲まれた円形のステージでジャズやパンクの要素を取り入れたライブパフォーマンスを行った。

伝統的なメンズウェアを、職人技と自由な「即興」で再定義。コレクション全体にわたって登場したのは、1970年代に発表されたGGパターンをあしらったキャンバスにラッカーを施した、光沢感のある新素材「クリスタル GGキャンバス」。鮮やかなカラーやパステルカラーで、カバーオールやオーバーサイズのバッグやシューズが登場した。

コレクションでは、お気に入りのウェアやアクセサリーが使い込むことで経年変化する「個性」も表現した。ピストンクロージャーやホースビット、クロスなど、GUCCIの歴史を象徴するモチーフも随所にあしらった。ゆったりとボリュームのあるテーラリングのシルエットのルックも目を引いた。スーツは取り外し可能なパーツでノースリーブジャケットやショートパンツにも変化する仕様だ。

1980年代のアーカイヴから着想を得たスポーツウェアは、ダンスウェアの要素も取り入れた。2000年代初頭のアーカイヴへのトリビュートとして登場したライダーズウェアは、クラシックなオーバーコートと組み合わせ。同じく2000年代調のウォッシュド加工を施したデニムパンツには、1953年にグッチがニューヨーク初のショップをオープンした際に発表したロゴを付けた。

カスタマイズで「即興」を表現できるアイテムとして、ヴィンテージスタイルのスカーフはバッグに結びつけたほか、デニムパンツのパッチワークパーツとしても用いられた。トラックスーツのライニングは表から見えるように配したほか、イブニングパンツは彫像のようなドレープのあるロングスカートへと再構築。クラシックなジョガーパンツは軽量レザーで仕立て、羽毛で覆われているように見えるショートコートにはホワイトスパンコールの立体的なエンブロイダリーを全面に施した。

1990年代にクリエイティブ・ディレクターを務めたトム・フォード(Tom Ford)がデザインした、ソフトな構造のハーフムーンシェイプとピストンクロージャーが特徴の「ジャッキー」バッグは、色あせたパステルカラーのクロコダイルで登場し、新たな解釈を加えた。バッグは、「ディオニュソス」にも多様な素材が用い、オリジナルの装飾的な構造を廃してダブルタイガーヘッドの馬蹄形バックルと新しいレザーストラップを付けた。

ショルダーバッグとしても使えるガーメントバッグは、鮮やかなクリスタル GGキャンバスで登場。クリスタル GGキャンバスは、トラベルバッグや、1970年代調のクラシックなラウンド トゥ アンクルブーツにも用いた。ヒール付きスリッパや、緑と赤のウェブストライプをあしらった「プリンスタウン」スリッパ、ユーズド加工したホースビットローファーなどにも同キャンバスを採用。ソフトなキルティングで仕立てたバイカーブーツもカラーを豊富に揃えた。