style
Where the runway meets the street

©ADAM ET ROPÉ

LACOSTE(ラコステ)の小さなワニロゴは、胸元にさりげなく刺繍されたステータスシンボルとして、あのRALPH LAUREN(ラルフ ローレン)のポニーよりも古い歴史を持つ。ただでさえエレガントなポロシャツを、これ以上シンプルに格上げする方法はない。

しかし、本当にそうだろうか? もしワニのロゴがポロシャツの生地と同化し、真のLACOSTE愛好家だけが気づくような、極めて繊細なコントラストを生み出していたとしたら?

それこそが、ADAM ET ROPÉ(アダム エ ロペ)による2025年春夏LACOSTEコラボレーションが掲げる巧みな提案。同系色のアクセントとしてワニロゴを再解釈し、さりげなく洗練されたポロシャツの数々を展開している。

©ADAM ET ROPÉ

ストライプのものもあれば、無地のものもある。どれも抜群のセンスが漂う。

気温が上がり、春が夏へと移ろう頃、ポロシャツは気品と通気性を兼ね備えた、欠かせないレイヤーアイテムとして活躍する。

©ADAM ET ROPÉ

Tシャツよりもほどよくフォーマルだが、正統な襟付きシャツほど堅苦しさがない。この絶妙なバランスが、ポロシャツを汎用性の高い定番アイテムに仕立て上げている。

実際のところ一番の難関は、見た目にも納得のいくポロシャツを見つけることだ。プレッピー過ぎたり、子どもっぽく見えたり、やけにスポーティー過ぎたりすることも多い。いっそのこと、“お坊ちゃんスタイル” の長袖版=ラグビーシャツに切り換えるべきだろうか?

いや、必ずしもそうとは限らない。理想的なポロシャツは、全ての要素を満たしているものだ。

そして、ロゴをポロシャツとほとんど見分けがつかないほど控えめに配置することで、ADAM ET ROPÉは理想のポロシャツ像にたどり着いた。日本のリテーラーである同ブランドは、LACOSTEの象徴的なロゴを、スポーティーでありながら上品な存在へと昇華させた。その手法は、かつてnonnative(ノンネイティブ)がLACOSTEのアイテムを再構築して話題を呼んだ試みにも通じるものがある。

今回の新作ポロシャツは、同じ美学で仕上げたスニーカーとともに、親会社JUNのオンラインストアを通じて、日本国内の顧客(および海外向け代理購入サービス)に向けて販売。仕上がりに妥協したくないなら、日本で手に入れるのが正解。その事実が、またひとつ裏づけられた。