プラダ青山店で現代美術家サイモン・フジワラの展覧会「Who the Bær」
ブランド:PRADA(プラダ)
東京・表参道のプラダ 青山店 5階で10月15日(土)から、現代美術家サイモン・フジワラ(Simon Fujiwara)の展覧会「Who the Bær」が開催される。
フジワラは1982年ロンドン生まれ、ベルリン在住。観光地や歴史的人物、セレブリティをはじめ、新資本主義下で生きる人間の欲求を考察した作品で知られ、消費文化の空想と現実味を同時に追及。これまで、アンネ・フランクの家を実物大で再現した作品「Hope House」(2017年)や、自身の高校生時代の美術教師のリブランディングキャンペーン「Joanne」(2016年 ~ 2018年)、YouTubeの世界を駆け巡るテーマパークのアトラクション 「Empathy I」(2018年)など作品を発表してきた。
プラダ財団が後援する同展では、おとぎ話や空想文学、アニメ、テーマパークの世界観を着想源にフジワラが生み出した漫画キャラクター「Who the Bær」の成長の物語を、気候危機から文化盗用、美容整形やポップアートなど、様々な分野にわたるテーマで表現。作品は、2021年にミラノのプラダ財団で初披露した展示を、同展向けに新たに構成したものだ。
Whoは、しっかりとした人格や性格、特定のアイデンティティやジェンダー、セクシュアリティもないキャラクターで、明確なデザインもないとされる、自らが創り出した「作りかけの存在」。自身がイメージであることのみを理解し、イメージの「Whoニバース(Whoの世界)」を巡りながら自己を探る。その世界は、フラットなオンラインの画像ながら、無限の可能性を秘める。
同展では、新作のイラストやコラージュ、彫刻、アニメーションを通じ、Who the Bærが自分らしさを探す旅を紹介。会場はパステルカラーのカーペットを敷き詰めた複数のエリアに分け、Whoの様々な側面を探究。「Who is Who?(Whoって誰?)」と書かれた、本の表紙の巨大なコラージュに始まり、ストップモーションアニメーション「Hello Who?」では、 Whoが多様な文化的・地理的背景を旅しながら向き合うアイデンティティなどについての質問を投げかける。子供のようなタッチで描いたミームのような描画は、いつでも好きなアイデンティティに姿を変えられるWhoの力を表す。
「Whoジアム」は、Who the Bærのイメージを集めた博物館や美術館だ。「人類学 Whoジアム」では、アフリカやアジア、古代エジプトの遺物を模したコラージュやインスタレーション、彫刻を展示。全てにWho the Bærのイメージを組み込み、文化の盗用や遺産の返還、植民地時代の略奪の問題を考察する。「アート Whoジアム」では、美術史を代表する名作の中にWhoを描き、別のノスタルジックな絵画のシリーズでは、おとぎ話の主人公としてWhoが登場する。
展示の最後には、シリーズ最大の Who the Bærの立体像「Who’s Only Whoman?」(2021年)のアニマトロニクスがお目見えする。
Who the Bær
会期:2022年10月15日(土)~ 2023年1月30日(月)
時間:11:00 〜 20:00
場所:プラダ 青山店 5階(東京都港区南青山5-2-6)
入場無料(新型コロナウイルス感染症の予防・拡大防止のため、入場制限を行う場合あり)