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Where the runway meets the street

 

日本の主要四島のうち南西端にある九州の最北端にあり、本州を結ぶ交通の要所を担う福岡県。北部には博多湾と玄界灘が広がり、昔から海に面したことを生かし、商人や漁師の街として発展。歴史を遡れば、海外との貿易港として遣唐使が多く行き交い、中国の文化が伝来した。一説によると、ラーメンと並び地元で愛されるうどんは、その時代に製粉の技術が伝わり、福岡に根付き広まったと言われる。

 

その食の文化もしかり、九州一の商都ながらコンパクトで高層ビルが少なく、身近に自然を感じられる公園や施設があり、全国の中でも暮らしやすい街として浸透。少子化が問題視される中で、人口が増加し、全国的に注目が集まる。

穏やかな時間が流れる福岡で、モトーラ世理奈と佐藤緋美がTUDORと刻む暮らしとは。

Himi:Jacket, Shirt CINOH, Pants YONLOKSAN, Others STYLIST’S OWN
Serena : Hoodie, Skirt 3.1 PHILLIP LIM, Others STYLIST’S OWN

博多港は1899年に開港以来、世界を繋ぐ国際港として発展。物流貿易以外にも、壱岐や対馬、長崎県の五島などの離島、はたまた韓国は釜山まで繋ぐ定期船も用意されるなど、観光事業においても福岡の要となっている。そびえ立つ博多ポートタワーをはじめ、波止場に建てられたモニュメントは知る人ぞ知る隠れたスポット。博多が奴国と呼ばれていた西暦57年、中国は後漢の皇帝から金印がここに渡ってきたと考えると歴史のロマンも感じさせる。福岡の礎を築いた場所で時の流れを感じるのは粋な嗜みだ。

BLACK BAY PRO
英国海軍による北グリーンランド遠征探検70周年を迎えた2022年に発表されたブラックベイ プロ。 パイオニア精神に満ちた冒険家の命を支えた計器のヘリテージを託されたツールウォッチはインデックスに、セラミックスとルミノバを混ぜた夜光塗料を用いているのが特徴。イエローのセンターライン入りストラップは、仏のサン・テティエンヌで150年以上も家族経営を続けるジュリアン・フォール社が19世紀製の織り機で製造。

TUDOR ROYAL
洗練されたスポーツシックな時計でありながら、ラグジュアリー。一方で優れたパフォーマンスも発揮し、人気を集めるチューダー ロイヤル。ロイヤルというモデル名は1950年代に使用されていたもので、連想させるように全体的にレトロでクラシカルなデザインを採用している。小ぶりなケースながら、中心から美しく放射線状に広がるブルーダイアルのサンレイ仕上げは眩い光を放つ。確かなディテールワークがTUDORが培ってきた歴史の重みを感じさせ、海や自然との共生を行う福岡の風景に馴染む。

 

 

大濠公園の歴史は古く、慶長6年に黒田長政が福岡城を建築する際、博多湾の入江であったこの地を外濠として利用。その後、昭和2年に開かれた東亜勧業博覧会を機に造園工事を行ない、昭和4年県営として開園した。現在も老若男女が各々の時間を過ごす憩いの場所となっている。

朱色を基調とし、銅板葺きで六角形の浮見堂。4つの橋から渡れる中央の柳島から、池に突き出したような形で設置された建物は、水面に浮いたような感覚に加え、目の前を飛び交う渡り鳥の姿も幻想的。気づけばお互いにシャッターの数が多くなっていた。

 

福岡の生活を支えるのはバス。穏やかな時間が車内に流れ、景色をゆったりと楽しむことができる。今日はどこに行こうか。そんな楽しみをバスの路線図に照らし合わせて計画。

HIMI:Jacket, Shirt, Pants BERLUTI, Others STYLIST’S OWN
Serena : Jacket RAG & BONE, Top, Pants AKANE UTSUNOMIYA, Shoes EYTYSOthers STYLIST’S OWN

 

BLACK BAY FIFTY-EIGHT BRONZE
BLACK BAY FIFTY-EIGHT 925

BLACK BAY FIFTY-EIGHT
TUDORが初めて200m防水を達成させた伝説のダイバーズウォッチ「Ref.7924」、通称ビッグクラウンが発売された1958年にちなんで命名されたフィフティ-エイト。39mm径のケースはジェンダーフリーで着用でき、時間の経過とともに風合いの変化を楽しむことのできるシルバーとブロンズで仕上げた。

歴史あるモデルのデザインを継承しながらも、カラーリングはグレーベースの都会的な装いと芳醇なブロンズブラウンという大胆なアレンジ。その温故知新とも言える自由度の高さは、古来から外交を担った対応力と独自の文化を発信する福岡の感度の良さにマッチする。

 

夜のとばりが下りる頃、屋台が明かりを灯し出す。新旧様々な屋台が軒を連ね、独自の文化を発信するその姿は、他都市で見ることのできないユニークな風景。屋台で食べるラーメンやおでんは五臓六腑に染み渡る。その心身共に和らげてくれるご馳走は、思わず肩を並べて座る隣の客や気さくな店主との話に花が咲く。やはり心地いい博多弁は、箸だけではなく、コミュニケーションも進むようだ。

 

 

HIMI : Jacket, Jump suits ISABEL MARANT HOMME, T-shirt VINTAGE
Serena : Jacket, T-shirt, Pants ISABEL MARANT ETOILE

天神の地下を南北に貫く、全長約590mの地下街は1976年に開業。都市と商業の交通、そして人が豊かに交流する。19世紀ヨーロッパをイメージした石だたみや唐草模様の天井など、異国情緒溢れる風景を楽しむことができる。各所できらめく本格的なステンドグラスの光は優しく、思わず手を伸ばしたくなるほどに美しい。雰囲気のある電話ボックス、自然光の入る広場、あえて地下街で待ち合わせるのも乙なのかもしれない。

 

BLACK BAY 31/36/39/41 S&G
スクエアモチーフが特徴のスノーフレーク針に象徴される、TUDORの長年にわたるダイバーズウォッチへの哲学が込められたブラックベイ。そこにポリッシュ仕上げのイエローゴールドを引き立てる丸みを帯びたケースなど美意識を加味させたのが、このS&Gシリーズだ。 

その洗練された佇まいは福岡の夜においても確かな輝きを放ち、手元を華やかに彩る。回転ベゼルの無いスタンダードな3針スタイルはユニセックスで愛用でき、サイズの概念にとらわれず、各々が好きな時計を付けるというのが、彼らの今の気分だ。

 

太古からの歴史があり、独自の食文化、コンパクトで自然と共生し住みやすい街並みが揃う福岡。その魅力的な土地でTUDORが新たにブティックを構えるのが、天神の中でも最も勢いのある西通り。旧城下町の面影を残しながら、ファッションブランドやグルメの有名店が並ぶレンドスポットに、TUDORカラーのブラック&レッドのファサードが存在感を放つ。このブティックが新たに福岡の時と、歴史を刻んでくれることだろう。

 

TUDOR BOUTIQUE FUKUOKA
住所:〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名1-1-46 1F
時間:11:00〜19:00
定休日:火曜日(祝日を除く)
TEL:092-517-3858(2月22日〜)