広島を熱くする誇り高きチューダーレッド

By HighsnobietyJapan in style
2021年5月14日

悠然な瀬戸内海と中国山地に挟まれ、海や大地からの産物に恵まれた広島県。往来に活気を与える路面電車の窓からは、川や緑に囲まれた都会的な街並みがのぞく。ひときわ目を引くのは、世界の平和を象徴し自国の歩みを戒めんと当時の姿を残す原爆ドーム。物言わず調和のとれた国際社会を主張する姿に、日本の技術をあやどる職人たちの姿を重ねる。

ものづくりは美学の結晶であり、ひとつが狂えば、全体がゆがむ。正確さをつらぬくには、忍耐力と持久力が欠かせない。設計者はミリ単位のズレを生じさせずに一歩、また一歩と先を読み、猛々しいハードウエアを操る者は火花やホコリにまみれながら力強くその手を動かし続ける。TUDOR BOUTIQUE HIROSHIMAの店舗空間を創り上げる職人たちの魂は、TUDORのスピリットと通じる。

「ロレックスが持つ技術と信頼に品質と先駆性を兼ね備えた腕時計を」。創業者ハンス・ウイルスドルフは自らが築き上げた時計市場に新たな価値を創造すべく1926年にTUDORをスタート。美しさに加えて防水性能や耐衝撃性といった機能面を強みに発展させていった。その堅牢性は1952年、ロレックス社門外不出の防水性オイスターケースと自動巻ローター機能を搭載させた「チューダーオイスタープリンス」が、英国海軍の科学探検に採用され証明された。さらに翌53年、過酷な環境での耐久性を裏付けるべく未曽有のキャンペーンが展開。「炭鉱作業員が252時間着用しての手作業」、「30時間に及ぶ電気ドリルの振動下での使用」、「石切り職人による3カ月の着用」、「バイクレーサーが着用して1000マイルを走破」など、数々の実験によって性能の高さを誇示。54年には初のダイバーズウォッチ「チューダーオイスタープリンスサブマリーナー」を発表し、その後もアップデートを続けながら防水性や耐水圧、利便性を更新していった。汗や砂にまみれる屈強な労働者たちが支え輝かせてきたエスプリは現代に受け継がれ、さらなる飛躍を遂げている。

©︎TUDOR

ほの薄暗い作業場、ライトに照らされながら石膏をつらぬき、金属を削り、塗装を重ねながら、緻密な力作業は進んでいく。その手元に似合うのは、ダイバーズウォッチの歩みとスペックを凝縮させながら革新を続けるブラックベイだ。4月にリリースされたブラックベイクロノは、50年前に生まれたブランド初のクロノグラフの持つモータースポーツとの親和性を極めたモデルだ。さらに、TUDOR初の200m防水を実現し「ビッグクラウン」の通称で愛された1958年に発売のダイバーズウォッチを着想源とする、ブラックベイフィフティ-エイト。時計と一緒に水でしっかりと洗浄できるファブリックストラップは、快適さと実用性を保ちながら洗練されたデザインとともに革命を続けるTUDORの哲学を明示している。

広島と調和する赤がブランドカラーのTUDORの新ブティックは、本通商店街のアーケードを抜けてすぐ。ファッションを愛する若者が集い地元民のライフラインを支え、昔ながらの姿を残しながら発展を続けるエリアだ。店舗建装のプロフェッショナル達による新たな店舗から、文化と伝統、革新を担う労働者達の新しいカルチャーが始まろうとしている。

TUDOR BOUTIQUE HIROSHIMA
住所：広島県広島市中区本通1-14
時間：11:00〜19:00（水曜定休 / 祝日を除く）
TEL：082-544-1313

TUDOR公式

快適さを携えたものづくりの美学

細やかな手先が芸術性の高い仕事を支える。柔軟さを要する身体の動きにも一日中快適に寄り添い、汚れたら洗える防水性と実用性を兼ね備えた良質なツール。ものづくりを支える道具に対する美学をも妥協しない男たちが、あらゆる無駄を省き選んだ時計。5月21日（金）にオープンするTUDOR BOUTIQUE HIROSHIMAを創る美しい労働者を追った。