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GUCCI(グッチ)は、世界で最古の美術館群とされるローマ市内の「カピトリーノ美術館」が建つカピトリーノの丘周辺の修復・保全プロジェクトに乗り出し、今後2年にわたり160万ユーロを寄付すると発表した。

ローマ市が推進する文化プロジェクト「RUPE TARPEA, BETWEEN LEGEND AND FUTURE」とパートナーシップを結び、2021年をめどに丘の岩・石灰華の緑地再生を進め、長年閉鎖されてきた庭園の維持・保全や、階段状の岩、丘の崖の緑化、植生に隠されてアクセスできないパノラマ景観の回復などに取り組む。

丘の上に建つ「カピトリーノ美術館」は、5月28日に開かれたGUCCI・2020年クルーズファッションショーの舞台にもなった。クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が自身の幼少期の思い出が詰まった場として自ら選んだといい、独特の外観や館内で展示する古代美術のコレクションなどで知られる同美術館を会場としたことは、ブランドにとって「GUCCIのストーリーの新たな一章となった」としている。

丘は、市内でも考古学的に最重要地域の一つであるほか、自然学的な価値も高い。「RUPE TARPEA(タルペーイアの岩)」と呼ばれる石灰華は、何世紀にもわたり風雨にさらされ削られ、同所ならではの景観を形成。古代ローマ時代の遺跡「フォロ・ロマーノ」を見下ろす位置にあった崖から反逆者らを突き落とす処刑が行われ、都から追放される不名誉な象徴でもあったという。

緑地維持に取り組む改修プロジェクトは、同地域を「存分に楽しめるようにするための必要不可欠な作業」と位置付け、遺跡全体のアクセスやユーザビリティの回復にもつなげたい考えだ。

グッチ社長兼最高経営責任者(CEO)のマルコ・ビッザーリは「クリエイティブ・ディレクターの故郷でもある永遠の都ローマに貢献することができ、とても光栄です。アレッサンドロとGUCCIの仲間達は、日常的に古代世界と対話しています。タルペーイアの岩の修復に貢献し、ローマに住んでいる方、また訪れる方のためになることは、私にとってもGUCCIにとっても大きな喜びです」などとコメントしている。