style
Where the runway meets the street

グリーンという言葉は現在、自然環境保全や生態系への配慮を示す形容詞として用いられ、SDGsやサステナブルという記号とともに氾濫している。表層的な解決に収束していては未来は変わらない。ここでは、組織的な認証やテクノロジーの力で直接的なダメージを減らす仕組みを作り、アイデアを共有する挑戦的なブランドに着目した。

PUBLIC SERV-CE®(パブリックサービス)

Yves Saint Laurent Shoe Studio(イヴ・サン・ローラン シュースタジオ)の創始者である叔父のもとエレガントな靴づくりを学び、ラグジュアリーなヒールを手がけていたラファエル・ヨン(Raphael Young)。伝統的な場に身を置いてきた彼は故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が築き上げたスニーカー時代の立役者であった。2022年、さらにその次の時代を見据えるラファエルはバイオテクノロジーを提げ、エコロジーとファッションの共存を具現化していく。

——このブランドを立ち上げようと思いついたのはいつでしたか?

アイデア自体はずっと前からあったのですが、このプロジェクトに取り組むことに決めたのは2019年です。

——PUBLIC SERV-CE®というブランド名にはどのような思いを込めたのでしょう?

ファッションからは離れた、全人類にとって強い意味のあるものにしたかったんです。コマーシャルの観点からは離れたものでなくてはいけなかった。初めはスポーツウェアのレーベルをローンチすることすら決まってなくて。ただ何か人々の生活を変えるようなブランドにしたかった。名前が最初に浮かんできて。ブランド名を思いついた時にこの名前を使って、次世紀の人々の着るものにどう対応していけるだろうと考えました。

All PUBLIC SERV-CE®

——以前のインタビューで、生活者は商品自体を求めているのではなく、その商品を取り巻くストーリーを求めているとおっしゃっていました。このトレンドは今後強まっていく傾向にしかないこと、メッセージがアクティビズムになり、直接的にアクションへと繋がるような服づくりをしたいとも。

その通りです。今もそのアプローチではありますが、より哲学的になっている。理想的には現在から次世紀へいくにつれ、人々は違ったファッションを楽しむようになるでしょう。その中で、現在とは違った品質と有益性を実感できるものをね。そこで私はデザインとバイオテクノロジーを掛け合わせた研究にたどり着きました。

見た目が良いことはもちろん、人々が着ていて心地いいもの。新しく物質的なベネフィットがたくさんあるものを作っていこうと思っています。デザイン、バイオテクノロジー、そしてスポーツウェアを融合したことによって私が理想とする完璧な組み合わせが生まれたんです。

——BIO認証のヴィーガンレザーやEVAなどの再生素材、オーガニックコットン、seacell®(※1)などのバイオ素材を使用することで温室効果ガスの排出を抑えているだけでなく、DynaMint®(※2)、BioDry®(※3)、BioSoft®(※4)などの最先端のバイオテクノロジーを使用し、スポーツウェアとして高機能な素材の開発を進めていらっしゃいます。

最適な素材や特別な製法を探して最初の商品を開発するまでに2年を費やしました。全てのシームレスのレギンスやヨガスーツには血行を促進したり、体温を下げる助けをしたり、汗による匂いの発生を抑えたりする機能が備えられています。もちろん全てケミカルを使用せず、サステナブルな繊維とプロセスを経ています。

最近では生分解性のバイオベースのポリマーが解決策としてポリエステルに取って代わるだろうと言われています。全く新しいもので、現在バイオテクノロジーの企業によって開発途中です。使用可能になればできるだけ早く私達もこのバイオポリエステルを使用していこうと考えています。生分解性の商品のみを生産することが公益事業にとってのゴールと言えるでしょう。

なぜファッションが最も汚染的な産業と言われ続けているかというと、大量のコットンやポリエステルのような繊維を使用しているから。コットンは大量の水と土地を必要とするためエコだとは到底言えないですよね。加えて、ポリエステルのような繊維は公益事業での使用を禁止されていて、今後見ることもなくなるでしょう。

——全てを生分解性にしようと試みていらっしゃることはすごく良いことだと思うのですが、それに加えて商品を購入した消費者が後に還元できるような循環型のエコシステムを作るべきだと考えています。

そうですね。4月にローンチした最初のコレクションで発表したTシャツ、パーカーやトレーナーは全てオーガニックコットンとリサイクルコットンの混合で作られています。製造業者が古着や売れ残り品を回収し、そのコットンと、その混合繊維の生成には使われたものではないオーガニックコットンをブレンドして作るので、私達が生み出す繊維は50%がオーガニックで、残りの50%はリサイクルのオーガニックコットンです。次のコレクションではseacell®も登場する予定です。今ちょうどブランドの変革が進んでいて、将来的にはオーガニックコットン、seacell®、そして現在試作をしている麻とリヨセルの混合繊維にしていく予定です。コットンから完全にシフトしていくことを目指しています。

——目標にはどれぐらい近づいたと感じますか?

この先1年ほどでコットンのような肌触りの良い柔らかいサンプルができそうです。

——環境について本当にわずかな人のみがラファエルさんほど真剣に捉えている気がします。そこにはいろいろな要因があるとは思います。ラファエルさんはなぜサステナビリティをアスレジャーという独自のスタイルで発信され続けているのでしょうか?

毎日着るものだからこそサステナブルであるべきだと思っています。たくさん持ってなくていいんです。例えばSF映画を観ていると、登場人物はたいてい同じような、スポーツウェアみたいな服装をしていますよね。レイヤーを重ねた服装をすることはなく、上も下もたった1枚ずつ。50年先には、現在のようにスーツやドレスを着ることはないんじゃないかと思っています。スポーツウェアは最も実用的でシンプルかつシャープな衣服だとも。クールで品質が良い、それこそがPUBLIC SERV-CE®。バイオテクノロジー × スポーツウェアなので、私達はバイオスポーツウェアと呼んでます。バイオスポーツウェアの企業はうちが世界的にも初めてではないでしょうか。

——スカートやワンピースを作る予定はありますか?

可能性はあります。全てのカテゴリーの服が揃ったらどんどん他のものにも挑戦していこうとは思っています。女性的だけれど機能性はそのままに、例えるなら1970年代のSF映画のようなイメージですが、僕が目指しているのは50年経ってもタイムレスなデザインです。この一世紀、ファッションは革命がなかったからこそ、私達はできる限りテクノロジーを使っていきたいんです。現代の人々がSFでしょと一蹴するかもしれないけれど、それが現実的に可能になってきたんですから。

——既存のファッションカレンダーとは関係なくコレクションを発表されていますよね?

準備ができたタイミングでローンチしていますが、1年に4回コレクションを発表しているのでカレンダーに沿っていると思う方もいるかもしれないですね。むしろ、私達は生活の瞬間に寄り添っていきたいと考えています。元々、私はリサーチに基づいて行動するタイプなので、夏には体温を下げる効果のあるTシャツを、冬には身体を温めるようなTシャツを作ります。見た目は同じでも機能は正反対というものをね。

——芸術家やファッションデザイナーは科学者をあまり信じない傾向にあると思いますか?

私達が先駆けとなったでしょうね。彼らも、実現可能で人気もあるとなれば、新しいムーブメントになるんじゃないかな。先駆者となるのはいつもこれまでにないものとそれを生み出す小さな企業。大企業はビジネスを維持するだけであまり改革を起こそうという気はない。スポーツウェアの市場は変わっていく必要があるし、私達はそのマーケットを勝ち抜くことができると信じています。

——小さなチームでここまでやってくるのは簡単なことじゃないと思います。

現在、10人いかないくらいですが、今後は毎月新しい才能溢れる社員を雇っていきたいとは考えています。12カ月~18カ月ほどで資金調達をする予定で、すでに話が進んでいるところもあります。今のところは私の目が届く範囲で、ブランドのヴィジョンに沿ってやっていきたい。パートナーシップを結ぶ時にも、必ずヴィジョンを共有できるところとしか組まない。ただビジネスが成功すればいいというわけじゃないから。私達は人々の生活を変えるブランドでありたい。壮大なプロジェクトを抱えているから資金もそれに見合った分必要ではあるけれど、それでも共鳴できる、してくれる人々としか一緒にやっていこうとは思わないんです。

——ハイブランドをクライアントに持っていた当時、エレガントな場所に身を置きながらスニーカーへの思いを募らせていましたね。現在のスタイルへの変容をどう見られますか?

ハイヒールを作っている当時でも既に未来的でテクノロジカルだったと思いますね。編集者やジャーナリストに「SFとファッションの融合」というような文言で自分のデザインが紹介されていました。セレブリティのための靴だったので、とても煌びやかで豪華でした。彫刻的なオブジェクトを作るのも楽しかったんですけど、履く人にとっては心地のいいものではない。見た目は素敵でも一日中歩くことなんてできないですからね。

——じゃあそのヒールは十分でなかった? それがスニーカーを作りたくなった理由なんですか?

そう。しかも全くサステナブルじゃない。ヒールってプラスチックからできていることがほとんど。レザーやプラスチックを使いたくない私にはどうしようもなかった。将来的には99%の人がスニーカーを履くことになるでしょうし、スニーカーでも彫刻的なデザインにすることはできますから。

常に直接的な解決に挑戦したいラファエルさんにとって、煌びやかなだけのヒールでは不十分だったんですね。環境問題への対策を組み、着心地の良い普遍的な服飾をデザインすることは、人々の営みを通してよりよい社会をデザインすることなのかもしれません。

Top, Pants, PUBLIC SERV-CE® / Jacket CANADA GOOSE / Shoes SAYE

CANADA GOOSE(カナダグース & SAYE(サエ)
CANADA GOOSEは2021年11月に羽毛の人道的な育成・採取の認証であるResponsible Down Standard(RDS)を取得し、ESGレポート(※1)では様々な問題への具体策を発表するなど生産背景の透明性を高めている。レトロなフィーチャーで愛されるスペイン生まれのスニーカーブランド、SAYEはヴィーガンへ移行。自然由来素材と再生素材、合成皮革などを使ったアイテムの比率を公式サイトで開示。排水や労働環境などのより高い透明性に期待がかかる。(※1)ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND GOVERNANCE REPORT FY21

(※1)seacell® ドイツのスマートファイバー社が開発。フィヨルドから倫理的に収穫した藻をリヨセルに混紡してできる繊維。ミネラルなどを含有しているので肌への良い影響も期待できる
(※2) DynaMint® 天然のペパーミントオイルをベースにした抗菌加工で消臭効果がある。衣類を新鮮に
保ち節水や節電につながる
(※3)BioDry® 環境や人体に深刻な影響を与える可能性のあるPFC(撥水加工に使われるフッ素化合物)を使用せず、柔らかい風合いと通気性がある高機能素材
(※4)BioSoft® 植物種子を原料とした繊維用柔軟剤

HATRA(ハトラ)

不確かさやズレなどの世の中に溢れる曖昧さを服にのせて肯定する「HATRA」。テクノロジーを駆使し、哲学対話のように多様な角度からの問いを紐解くように作り出される作品は、ファッションという枠組みにとらわれない表現に満ちている。6月に東京藝術大学で行われた『新しいエコロジーとアート』展では、AIで蓄積されたデータを基にしたニット作品を展示。鳥という言語情報によって作り出された鳥ではないものの画像がスクリーンに循環する。隣に陳列されたニットは6色の系で構成され、コンピューターニッティングによって無数のパターンを作り出すことができる。これからのテクノロジーとサステナビリティをどう捉えるか、デザイナーの長見佳祐さんに話を聞いた。

——今回デジタルのジャカードニットとプリントのハイネックTシャツをレイヤードし、星のや軽井沢の敷地内で水力発電にも利用されている川の水を湛えた棚田をバックに撮影しました。袴のようなボトムのラインもとても美しかったです。秋冬のテーマと、それぞれのアイテムについて教えて下さい。

シーズンタイトルは「YOI」です。2021年から掲げている「LIMINAL WEAR」を下敷きに、私達が移動するときに感じる所在のなさと安心感、空間の移ろいを形にしています。タイトルの「YOI」は乗り物酔いであり宵で、地に足のついていないことを肯定しようという思いが込められています。また、アーティスト・HOUXO QUE(ホウコォ キュウ)氏とのコラボレーションニットは、明滅するディスプレイから漏れ出る光をジャカード柄として編み上げた作品です。ジャカードの色相分解により、編み地組織本来の限界を超えた無数の線の連なりが立ち現れます。袴型のワイドプリーツパンツは祖父から譲り受けた袴から着想を得て、和装から現代服への構造変換を試みました。薄手のウール素材はしなやかながらもハリがあり、豊かなプリーツ分量を感じさせない軽やかさを併せ持ちます。今ではHATRAのウェアの基礎として支えてくれるスタンダードボトムです。

Top, Pants, Hat HATRA / Shoes STYLIST’S OWN

——コンピューターとデータやアルゴリズムを用いた新しい服作りを通して、様々な角度で概念を塗り替えるようなプロジェクトを遂行されています。AUBIK(※1)に引き続き、GAN(※2)によって生成された架空の鳥からテキスタイル職人との協業によって出力可能なデータへと変換したジャカードニット作品「Synthetic Feather」は「新しいエコロジーとアート展」でも展示され、これからのエコロジーのスペキュラティブ・デザインとして注目を集めました。この作品を通して観るものはどのようなことを学び知ることができるでしょうか。

第一にSynthetic Featherは展示作品ではなく、実際に手にとって購入できる製品です。特別な意図に縛られずファッションとして楽しんでもらいたいです。このニットは全部で9種の、AIが生成した架空の鳥をモチーフにしていて、柄ごとに様々な色彩が見てとれますが、全て同じ6色の原色糸を使用しています。理論上は、AIが生み出す何千通りの柄を同じ原材料から編み出すことができるのです。この手法の採用により工場内での糸ロス、作業時間の効率化を実現しています。

また、この架空の鳥生成には、インターネット上に漂う無数の「鳥らしい」画像が元になっています。SynfluxとHATRAが製作した「Synthetic Feather(合成の羽根)」のイメージがネットに投稿され、元となった鳥らしさに微弱に影響してしまう。新陳代謝のようにイメージが循環していく過程が作り手として刺激的な試みだと思っています。

——ファッションの与える環境負荷に対しては、テクノロジーによる作業効率化などの対策が期待されています。『vanitas No.007』誌でのインタビューで「ファッションでテクノロジーを使う時に起きてしまう退屈さ」という言葉が印象的でした。長見さんにとってCLOテクノロジーに対してどのようなおもしろさを感じていらっしゃいますか?

デジタルツールは正しく使えば生産性を向上させることができます。ただし私達のようなインディペンデントなクリエイターにとってテクノロジーは、効率のためだけでなく、未知の領域にたどり着くための交通手段として扱うべきだと考えています。近年ではソフトウェア間での互換性が高まってきていて、特別な知識がなくても、動画をアップロードするように3Dデータを扱う人は増えると思います。3Dデータの一般化がファッションのクリエイティブにどのような影響をもたらすのか、いち観客としてとても楽しみです。

——「私達の周りに当たり前にあるけれど、ファッションの文脈ではまだ消化されていない状態認識のズレに魅力を感じるのかもしれません」(※3)という記述がありました。サステナブルという概念やマーケティングや価値観が横行する社会で、自然由来素材や再生素材の開発、縫製のプログラミング化などによるCO2削減などが現実的な対策として一般化しています。長見さんの行っている研究ではより深い認知の部分でのズレや価値観の創生において、意図せずとも、エコロジカルな設計に結びついている、というようなことが生じていくのではないか、という期待があります。未来の社会を良くしていきたい、といった思考のベクトルは実際の研究・デザインの中に存在しているのでしょうか?

なんの制約もなく物を作り出すことはできません。何もない部屋は自由とは言えませんよね。その意味で、これほど明快な人類共通の課題が存在することは、デザイナーとしておもしろく、恵まれた時代だと感じます。また一方で、ファッションの持つ根源的な魅力は、解きほぐしていけば様々な問題に処方できるという予感があります。何かが「ファッションに過ぎない」と語られるとき、人の営みにとって重要なものを取りこぼしているように思えてなりません。こうしてカテゴリーの外縁にいると、近い問題意識を抱える異分野の方とは自然と繋がってくるものです。点と点を繋ぐ活動が結果として少しずつマシな社会へと近づけられるよう、良い社会とはなにか、倫理観を更新し続ける必要はありますね。

——これまで様々なコラボレーションやアート作品に参加されています。環境とテクノロジーという分野での呼び声が高いのは、長見さんのテクノロジーとファッションの融合した上での品質と、既存のファッションの概念にとどまらない思考、また地球環境というテーマに対する芸術的アプローチの高さに起因しているのだと思います。滝戸ドリタさんの作品『SIGHS OF EELS』の衣装では滝戸さんからのリクエストに対して、どのような表現に注力したのでしょう?

『SIGHS OF EELS』では、滝戸さんの製作したウナギの稚魚型ロボットとともに水中で泳ぐ人のための服を作ってほしいとリクエストいただきました。地上と異なり浮力も抵抗もある水中環境で、どんな生地・形であれば優雅に見せられるだろうかと3Dシミュレーションを経由してデザインを進めました。とはいえ実際に撮影結果を見るまでは心配でしたが、演者さんの表現力もあり、その舞い姿は想像を大きく超えたものでした。

——『POOL person』は、どういったプロジェクトなのでしょうか?

3DアーティストのPOOLさんとはいつかご一緒したいと思っていて、お互いの強みを活かし合えるタイミングだろうと2021年秋ごろにお声がけしました。AIを制作手法に取り入れる岸裕真さんにも3Dチェアで協力していただいたりと、3D表現の可能性を再確認できたプロジェクトとなりました。

——POOL personのヴィジュアルでうかがえるように、HATRAの服は自然での活動を意識したアプローチを行っていませんが、自然環境と視覚的な相性がとても良い。これは、色やフォルムなど様々な要因があると思いますが、意識的なものはありますか?

ありがとうございます。面白い視点ですね。そのように考えたことはなかったです。HATRAの作る色、素材、パターン、一つ一つに役割があってお互いが影響し合ってその小さなオーガニズムを形成するイメージはシーズンを超えて常に意識しています。

——「ファッションはこれまで知性とは感じられなかったものと対話をするための準備作業」(※3)とおっしゃっており、非常に気になりました。これは、ヴァーチャルの分野においてのことですか?これはどういうことなのか、詳しく教えていただいても良いでしょうか?

ヴァーチャルに限ったことではありません。例えば現行の参政権は不完全な状態から地道な努力により、少しずつ獲得されてきたものですが、今が狂いのない到達点とは言い切れませんよね。これまでも人や知性の枠組みが揺れ動いてきたのと同様に、私達は将来の当たり前に気づいていないはずです。その時が来た時に動揺しないために、私達は多様な姿に着飾るのだと思っています。

——「テクノロジーを通して、現在のファッション表現の外部の翻訳に努めている」(※3)とおっしゃっています。エコロジー・サステナブルは今後のものづくりをする上で基盤となるシステムに組み込まれるべき装置になってきている。現在、エコロジーやサステナビリティに対してどのようなスタンスや考えでいらっしゃいますか。

私の理解では、「このように実施すれば持続可能な運用ができる」という明快な答えは、まだ確立されていないはずです。現時点ではそれぞれの道筋に一長一短を感じつつも、未来のサステナビリティのための種を蒔いている時期ではないでしょうか。SDGsは2030年までの達成を掲げていますが、当然それ以降も社会には持続可能性が求められるはずです。ではそれが100年後までなのか、10万年後までなのかといった設定次第で、私達の行動指針は大きく変わってきます。共にサステナビリティを謳っていても、想定する未来像次第で全く逆の行動に移るかもしれません。そういう意味では、現在できることには責任を持ちつつも、一見無駄と思える種蒔きを疎外しないこと、すなわちアプローチのラディカルさと多様性を失わないよう心がけるべきだと思います。

——リミナルウェア= “境界状況(曖昧な状況)を肯定するための服” の提案は、現在もともと目指していたものを表現できているでしょうか? また、これから広げていきたい挑戦について、お聞かせいただけますでしょうか。

以前からHATRAでは「部屋」では回収できない拡がりがあることを感じていて、その飛び地を広くカバーする概念として「リミナルウェア」を掲げました。2022年後半から、次元を跨ぐことで得られる境界的な身体感について実践に移すべく計画しています。

(※1)HATRAとスペキュラティブ・ファッションデザインラボSynfluxとの共同プロジェクト。アルゴリズムを応用した新しい服作りを模索したプロダクトやサービスを開発する2社協同プロジェクト。
(※2)敵対的生成ネットワーク/機械学習の一種
(※3)『vanitas No.007』インタビューより

GANNI(ガニー)

カラフルで自由な感覚が溢れるパターンに装飾、型にはまらない魅惑的なシルエットで様々なスタイルを提案するGANNI。開放的なドレスからスーツまで一癖も二癖もある表現を多彩に採用し、特別を装うのではなく、楽しさに溢れる充実した毎日を彩る服で人々を魅了する。コレクションは常にポジティブさに溢れており、ファッションデザインのみならずサステナブルなゴールに対する真摯な姿勢も明らかにしている。2020年にコペンハーゲンで発足し、多様化するSNSマーケティングの波に乗ってECを通じてグローバルブランドとして北米や中国にも大きく手を広げている。インフルエンシャルな顔ぶれとともに親しみやすいカジュアルさとトレンディなランゲージを保持しながら、地球環境や社会問題への責任に対してファッションを通じて解決を促す。GANNIのクリエイティブディレクターのディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)とニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)に話を聞いた。

——サステナブルデザインは、現代のファッションデザインにとって不可欠な基盤でありGANNIはそれを推進しています。GANNIの姿勢をお聞かせください。

ディッテ 私達は、GANNIが地球環境や社会に与える影響に関し、透明性の確保に向け取り組んでいますし(※1)、それはファッションデザインにも反映されています。GANNIを手に取った誰もがGANNIのコミュニティに歓迎されていると感じることは、私達にとって非常に重要なことです。

「コミュニティ」と「責任」は私達の中核となる考え方です。私達は心の奥底から自然と湧き上がるものを形にしてクリエイションをしていますし、常に実験することが大好きなんです。現状に対して責任のあるクリエイティブな解決策を考えつつ、楽しいという感情は決して忘れません。それがGANNIというブランドです。

Coat, Pants GANNI / Necklace TOMWOOD / Socks, Shoes STYLIST’S OWN

——実際の環境対策に対して、GANNIは逆説的に「サステナブルブランドではない」と主張しています。実際、シーズンごとに新しいコレクションを発表しては古いものを破棄するのが標準的なサイクルであるファッション・ビジネスにおいて環境負荷と親密な関係にある。生産時に使用する電力や原料供給からゴミの破棄までのあらゆるライフサイクルによる温室効果ガスの排出量を数値化(カーボンフットプリント)したり、カーボン・インセットを採用するなどで自社の排出量を減らすための工夫をしている企業も増えてきました。ファッションはサステナブルではありませんが、GANNIは社会や人々にとってどのような存在でありたいと考えますか。

ニコライ 恐らく、誰でも日々より良い自分になるために大なり小なり努力をしていると思います。それは決して終わることのない道のりであり、ゴールインしたふりをすることに何の意味もないのです。私達は自身が完璧でないことを理解すると同時に、この産業と私達の服を買ってくれるお客様のために、GANNIが模範とならねばと思い、日々努力しています。

ファッション自体がなくなることはないのですから、徹底した透明性を確保し、責任を恐れないリーダーであることが私達の仕事だと考えています。ご存知の通りこの分野に関しての議論は多いですが、必ずしも行動が伴っているとは限りません。私達は行動が最も重要であると考えています。なぜなら、ファッション産業は変化する必要があり、それは今なのです。

——2023年までの達成を目指す目標として設定した44項目のうち、30項目がすでに達成しました。予想より早く達成できそうです。不安定な未来に課題を克服するために、会社が最も必要とする要素は何でしょうか?

ニコライ サプライチェーンの透明性は今すぐ取り組まなければいけない課題であり、GANNIでは最も多く投資をしている分野です。ファッション産業は歴史的に見ても、サプライチェーンの不透明性が続いていました。それを解決し、根本的な仕組みを作り上げることに尽力する必要があります。

——2021年にデッドストックから5800着のアップサイクルを行い、その解決策のひとつとしてAhluwalia(アルワリア)とコラボしましたね。サステナブルを強く意識した若いブランドと共同で事業を行うことで、何を実現したいのでしょうか?

ディッテ お互いに同じ志を持ち、知識や情報を共有することで新たな境地に到達する、そんな人達と仕事をすることを常に心がけています。Ahluwaliaは、アップサイクルと前衛的なデザインを融合させながら、ビジネス的な観点でも魅力を併せ持つブランドで、ファッション産業の中で捉えても新たなケーススタディーを作り出したのだと思います。そのような人々と共同で仕事をするとき、普段一人では感じることのないパワーが生まれるのです。その膨大なパワーを味方につけ、自らの殻を破り外の世界へと踏み出さなければなりません。それは新たな視点で世界を見る目となり、驚きに満ちた発見へと導いてくれる道筋にさえもなるのです。

——GANNIが選んだ素材は、どのような特徴があるのでしょうか?今後、新素材はどのように発展し、製品産業に欠かせない存在になるのでしょうか?

ディッテ 生地の開発は、循環型システムの構築、環境負荷軽減の実現に重要な役割を果たしますが、ブランドはそのためにリスクを負う必要があります。私達は、より循環的でローインパクトなファッション産業への移行を実現するため、素材の研究開発に特化した社内プログラムとして、「Fabrics of the Future」を立ち上げました。このプログラムでは、スタートアップ企業と協力し、その規模を拡大するためのサポートをしています。

私達はすでに、ぶどうの搾りかすを使った植物由来の代替素材「VEGEA™」と、世界初の菌糸体から生まれたレザー代替素材「Mylo™」を用いたコレクションを発表しました。Mylo™は、バイオベース、アニマルフリーであることが証明されており、100%再生可能エネルギーで動く最先端の垂直農法施設で栽培されています。

——これからの循環型ファッションの理想についてお聞かせください。

私達のコミュニティは、人々のワードローブに対してスーパーフルーイドなアプローチをしていますので、GANNIのレンタルから、リターン、リセール、着用、所有することまで、多様な方法を提供しています。そして、責任ある選択をしたことに気づかないほど、シームレスにすることが私達の仕事なのです。これまで、リセール、リサイクル、レンタル、リペアなど、様々なサービスを提供してきましたが、この取り組みは、規模を拡大しなければ本当の意味でのインパクトを与えることはできません。私達は、これが人々の買い物のスタイルに完全に統合されたものになることを望んでいます。

——サステナブルなビジネスモデルを推進するものとして、今後どのような活動を目指していますか?

ニコライ ひとつ大きな目標として2030年までのCO2排出量50%削減の実現が挙げられます。それは会社としての未来を作り上げていくことを意味します。環境フットプリントの実施に対してより全面的なアプローチを取りたいと考え、新しい気候変動対策戦略の一環として、カーボンオフセットからインセット(企業が自社のサプライチェーンの中で温室効果ガス排出量を削減することを目的としたプロジェクトに投資し、持続可能な活動を推進すること)へと移行しています。目標は、サプライヤーの再生可能エネルギーへの移行に資金を投入することですので、カーボンインセットは私達の環境負荷全体を低減するだけでなく、サプライヤーに長期契約を提供するといった効果もあります。

(※1)GANNI公式サイトでRESPONSIBILITY REPORTとして生産背景におけるデータを開示している

TOMWOOD(トムウッド)
サステナブル・プログラム、LOW IMPACT PROJECTのレポート(※1)を掲出しているTOMWOOD。2021年に販売された全ジュエリーのうち18%がリサイクル・ゴールドとシルバー。またRJC(※2)に参入し、宝石ソースを透明化、ヴァージン素材採掘時の有毒なケミカル発生を懸念し、2023年までには高品質なリサイクル素材へシフト。Plan Aによる環境フットプリント数値の割り出しなど、第三者のモニタリングによる生産背景の向上に務める。
(※1)TOMWOOD LOW IMPACT REPORT 2021
(※2)Responssible Jewellery Council

CFCL(シーエフシーエル)

2022年8月、公益性の高い企業に与えられる国際認証制度であるB Corp認証を取得したCFCL(シーエフシーエル)。非営利団体B Labが運営するB Corpとは社会的・環境的なパフォーマンス、法的説明責任、公に対する透明性をにおいて企業の取り組みを評価した認証制度で、いわゆる “良い会社” の価値づけである。この認証によって消費者はより良い会社への消費や投資が可能になるだけでなく、企業は事業の環境的・人道的側面において細かな説明責任を全うし、自身の活動の振り返りや改善を可能にしながら、コミュニティを育み相互的サポートを実現させる。世界的な高い視座を持つと認められた日本で初めてのアパレル企業となったCFCLのクリエイティブ・ディレクター・高橋悠介に現在の展望を伺った。

——認証おめでとうございます。申請からかなりの時間を要したのでは。

昨年末頃からそろそろ取得できるのではないかと思っていたのですが。第一次の審査が終わってから何度も資料や証拠を提出して、審査を受けての繰り返しで5カ月くらい要しましたね。

——全部で300項目。80点以上が認証ラインです。最も労力を費やしたことはなんでしたか?

直接のやりとりは、CSO(Chief Strategy & Sustainability Officer)の岡田康介が行ったのですが、印象的に残っているのはインパクトビジネスモデル。全体の20ポイントを占める大きな質問で、このビジネスによって社会が良い方向に向くのか、スケールアップするかどうかというものでした。

CFCLの中核となる技術、3Dコンピューター・ニッティングを用いた場合、制作過程で廃棄がほとんど出ないという主張に対して、B Corp側は比較対象としてまず布帛で製作した場合どのくらい廃棄を出すのかを聞いてくる。それに対して文献を調べて、だいたい15%がロスだというエビデンスを見つけてきたんですが、それだけでは足りず、横編みのセーターが市場で占める割合を示せと言われる。つまり、主力商品ではなくてもそれを活用することでどれだけのインパクトが起きるかということを実際計算するんです。

日本で流通している服のうちの組織(ウェービング、ニッティング)の中の統計資料を提出したり、自分達でパタンナーに頼んで布帛でドレスを作るというプロセスを実際に行って廃棄の量を計測したりしました。同時に、デザインの際、iPadで描いたデザイン画をそのままプログラマーに渡すことで紙の廃棄が出ないということ、CFCLの主力商品であるPOTTERYドレスの発注量が増え続けていることでスケールアップが証明できたこと、また継続的な生産によって生産時のロス率が縮小していることで、その証明の提出が大きい点数を取れたひとつの要因ですね。

——徹底的に調べ上げて実際の証拠を数字で立証するんですね。雇用に関してはどうでしょう?

グローバルサプライチェーンをベースに利益を出しているあらゆる産業は賃金が安い国で生産し、先進国で売るというビジネスモデルが多く、それがSDGsの課題のひとつである貧富の格差を助長していると考えらえています。それに対して、生産している地域で購入できる状況を作ることはローカルコミュニティへのベネフィットが明確化されるため重要とされています。CFCLは全ての商品が国内生産で、その多くは新潟や福島など以前からあるニットを地場産業とする地域です。それはCFCLにとって欠かせないコミュニティであり、重要なステークホルダーです。会社の利益のことだけを考えれば、同じものを安く作れる国で作ることも考えられますが、我々が守るべきコミュニティを明確にしています。また、それがシェアホルダーによって方針転換が簡単に行われないようにカンパニーポリシーへの記載がされています。

——CFCLにとって認証の一番のメリットはどんなことでしょう?

僕は企業をより良い社会へと創造していくための装置だと捉えています。みんなが欲しいと思うものを提供することによって企業は規模を拡大していくことが可能になりますよね。そして、潜在的な欲求を形にすることがイノベーションとなる。ただカッコよければ良いとか、使いやすければ良いということではなく、責任を伴ったものづくりをしているのかどうかがこれからの社会のニーズになってくると思うんです。それが商品の価値を担保する要素であるならば、その評価軸に対する感覚を、B Corp取得の道のりの中で習得できたことが一番大きいかもしれないですね。また、日本のこの分野での理解や取り組みが欧州の先進国と比べて遅れていることは日頃より感じています。その中でB Corpの取得によりグローバル基準の価値基準を持っているということの意思表示にもなります。

——ファッションは手法で、ビジネスを通して社会構造を変えたり、社会問題を解決していきたいと?

僕の中では基本的に2つの考え方があります。ひとつは服を作るのが理屈抜きに好きなんです。2つ目は社会的なインパクトを作り出すことに興味があります。たまたま服が好きだったので服を作っていますが、社会を良くするための作用であれば、極端な話、服でなくてもいいという考え方も持っています。でも、衣服は本当に奥が深いんですよね。裸で歩いている人はいないし、環境や肌触りといった機能性を要しながら社会的な地位を示す方法でもあり、個人や集団としてのアティチュードを社会に対して発信するメディアでもある。マーケットを作ることがゲームだとしたらファッションは非常に複雑なゲームなんです。ライフタイムバリューという考えがありますが、サプリメントや化粧品と比べてアパレルは統計が取りづらい分野です。トレンドに関しても色や形だけではない、購買意欲や訴求の組み合わせが膨大にある。B Corpはその中の作用のひとつにはなるかもしれませんが、それで売上が変わるわけではないと思っています。要は原料よりも付加価値が高い、そこがバリューになるので、そこをどれだけ高められるかはある程度マネジメントしていかないと今の時代に服は売れないし、文化の形成は難しいと思っています。

——B Corpを取得した企業によって作り出されるコミュニティに期待していることはなんですか?

非常に明快なのは、地球上の限られた資源の問題への対策です。CFCLは再生ポリエステルを使用していますが、回収までに至ることができていません。自社のみで実装することや、サプライチェーンを巻き込むだけでは解決は非常に難しい。やはり、BtoCに向けて窓口を持っている企業同士の連携が必要になってくると同時に、日本政府の積極的な参加の必要性も感じています

フランスにおける服の廃棄を禁ずる企業向けの法律の施行を背景に、日本でも必要性が議論されるようになりました。このように1社だけではどうにもできないことが無数にある。ジェンダーギャップにもグローバルサプライチェーンにも言えることですが、そういった課題に既に取り組み、解決の糸口を掴んだ企業の知恵を借りたり、意見交換や情報共有したりが非常に大事になると思います。あらゆる産業にコネクトしているのがBCorpなので、我々が持っていない領域に非常にアクセスしやすいというのは間違いないですね。

——グリーンウォッシュに対して一石を投じているのもB Corpの特徴です。

現在サステナブルを謳う企業は多いですが、本当に環境に対して配慮しているか、人権に対してホワイトであるかというのは調査をしない限り分からない。サステナビリティやエコは、非常に大きな標語であり、具体的なアクションを示さない限り人々の心情を誘導している言葉になってしまっていますが、それをさせないのがB Corpなんです。「グリーンに、サステナブルに」と謳っていても実際に全体の何%がグリーンでサステナブルなのか、グリーンやサステナブルが示すものは何かといった数値を開示している企業は少ないのが現状です。必要なのは事実と現状をありのままに伝えるということです。言ったもの勝ちになりかけている市場の中で、この状況を理解している投資家は情報を開示していない企業ではなく、B Corpを取得している企業から選考するという動きが今後の潮流になる可能性はあります。

——現在新しい再生素材を採用しているのでしょうか?またデザインを高める上で再生素材の抱える難しさなどがあれば。

再生素材はスタート当初に比べてもかなり増えていますね。素材の比率はCFCLのウェブサイト上で毎シーズン発表(※1)していますが、100%再生素材に切り替えることは現状難しいです。例えば、ヴァージンポリエステルに比べてウール素材はリサイクルの採用が難しい。ニットを解体するリサイクルウールは存在こそしますがクオリティに満足できないのが現状です。大量回収すると多少の異素材が入ってきてしまったり、染めなどの工程を含んでいると傷んでいて肌触りが悪い。現在、ウールの糸メーカーと一緒にリサイクルウールの開発をするという取り組みは既に始めています。他にも、動物愛護の観点で、ノンミュールジング(※2)が増えていますが、まだまだ選択肢が狭いです。そもそもウールやカシミアなどの素材を地球の裏側から運んでくること自体、カーボンフットプリントが高くついてしまうので、日本国内にあるウールの資源を活用する方が理にかなっています。

CFCLは基本的には洗練された都市生活に合った服を作るためのブランドで、品質や洗練された見た目は最優先項目ですので、十分な供給が見込めるタイミングで切り替えていくと思います。

——海外を視野に入れてもこれからのスタンダードと肩を並べるCFCLのビジネスプランは現代的かつ革新的です。もともと現代アートとのコラボレーションも多く行ったりして、アートとの距離の近さを感じていますがコンセプトにおいて現代美術と通じるものがあったりするのでしょうか?

現代美術がおもしろいのは、世の中の流れや様々な視座を表現に変えていくことであり、時代の潮目が変わるきっかけになるような後世に残る作品に高い存在意義を感じます。同時にファッションでも、10年後や20年後を変えるターニングポイントになるようなものだったのかということが、良い服かどうかのあり方として言えるのではないかといつも考えています。良い服を作り出すために、どれほど社会に向き合ってるかというのは切り離せないものではないかと思います。

Top, Pants CFCL / Shoes STYLIST’S OWN

(※1)CONSCIOUSNESS VOL.3 REPORT、CFCL公式サイト
(※2)ノンミュールジング 子羊の陰部の毛を丁寧にはさみで刈り取る倫理的な羊毛の生産方法。羊毛への虫の寄生を防ぐために皮膚と肉を切り取る一般的な方法が非倫理的だと問題視する声も

HOSHINOYA KARUIZAWA(星のや軽井沢)
日本の原風景を思わせる棚田が広がる敷地内。開業当初から自社の水力発電システムを持つ星のや軽井沢では現在、水力発電、かけ流し温泉の拝湯熱、地中熱の3つの力で消費エネルギーの約7割を自給している。客室の小窓を備えた「風楼」が天然のエアコンとして活躍、またゴミの資源化100%を目指し、ごみの分別は28種類、生ゴミは堆肥、さらに食事の残渣を削減するシステムを採用している。

※本記事は2022年9月に発売したHIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE09+に掲載された内容です。

【書誌情報】
タイトル:HIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE09+(NCT 127 YUTA特別小冊子付き)
発売日: 2022年9月30日(金)
価格:1,980円(税込)
仕様:A4 変形版
※NCT 127 YUTAは付録・特別小冊子の表紙となり、本誌の表紙ではございません。
※ISSUE09+は、小冊子、及び2種類の表紙・裏表紙以外の内容は同様になります。

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